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レプサ号より |
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ゴロ寝 |
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喧騒の街「ダッカ」を離れ、ロケットスティーマーはゆっくりと川面を走る。すでに夕方近くになり、川面はうっすらと橙色に染まりつつある。騒々しいダッカとは対照的に川は穏かで、船の水を切る音だけが心地よく耳に入ってくる。やがて日が落ち、辺りは薄暗くなって来た。昼とは対照的にあれだけ穏かに感じたこの大河が、闇夜では畏怖を感じるのはやはり自分は小さな「人」だからだろうか。大自然の前では我々は何もできない。
2等室はぼろいながらもなかなか快適である。2名用だが一応個室だ。景色や船の探索が終わるとゴロリと横になれる「我が城」である。2等以下はほぼゴロ寝状態で多くのバングラ人が所狭しと横たわっている。まるでテレビで見る難民キャンプのようだった。しかも1等2等以外の人間は船首などに立ち入ることができない。一部の人間のみ船首でくつろぐ事ができるようになっている。
久しぶりに空気の良いところで眠れたが、同室だったバングラ人のいびきに悩まされなかなか熟睡ができなかった。まどろみながらも次の朝はゆっくり目が覚めた。これまでリキシャや車のクラクションで朝から喧しかったのが嘘の様に静かな朝である。本当に何も音がなく静かだ。まるでエンジンも止まっているかのようだ。外に出て見ると本当にエンジンが止まっていた。どうやら昨夜から止まっていたようで、今はただ漂流されているとのことだった。やれやれ。まあ、沈没しなかっただけましか。あの闇夜、この大河。船が沈んだらひとたまりもないだろう。朝日を受け、穏かに輝く川面を見ながらそう思った。 (写真右:ゴロ寝とレプサ号より)
船内で背の高い色白の青年と出合った。久々に見る外国人である。肌の白さがとても目立つ。彼の名はトビー。ドイツ人だ。バングラのとある街でNGO関係で来ていたのだが、この度帰国となりバングラを周っているとのこと。旅の途中ドイツ人とは時々行動を共にするのだが、トビーともこの後しばらく一緒に行動することとなる。
船が漂流されていた為予定時間よりも大幅に遅れて目的地のモングラについた。ダッカからは南西にある漁港だ。ここにきた理由は世界自然遺産「シュンドルボン」を訪れる為だ。
「美しい森」を意味するシュンドルボンはインドの西ベンガル州とバングラにまたがる大森林地帯であり、世界最大のマングローブの天然林である。数千の川と水路、入り江が入り混じり、ワニやサルなどの野生動物が生息する。ベンガルタイガーが生息していることでも有名である。
モングラに到着後、早速トビーと共に翌日のシュンドルボン巡りの船を手配した。モングラ自体は通りが1本あるだけのとても小さな街で、宿泊したホテル「バンコク」もかなりの劣悪な物だった。(100tk)
翌朝シュンドルボンに向けて出発した。パンや果物など大量に買い込みまるでピクニック気分だ。昨日までの「ロケットスティーマー」とは違い、とても小さな船に乗り込み、歩く方が速いのではないかと思うぐらいのスピードでシュンドルボンへ向けて川面を走る。1時間ほどして船長(と言っても一人しかいないのだが)がシュンドルボンへ入るとのことで笑顔で教えてくれたのだが、こちらとしては同じ風景ばかりでどこからかはよく分からなかった。あまり深入りすると盗賊がでるとのことで長居はしなかったが、マングローブも野生動物もあまり見られなかった。トリがいた程度だ。
昼過ぎモングラに戻り、そのまま次の目的地バゲルハットへ向かう。これからインド国境を目指しひたすら北上する旅が始まる。ここではバングラ初のバスに乗る事になった。期待を裏切らないボロさだ。狭くて古い。途中、魚なんかも乗ってきて臭くなったり、いきなり止まったと思ったら屋根からヤギが降りてきたりした。(ヤギが乗っていたとは知らなかった・・・)
ところでトビーは若い奴だが英語が堪能な上に、少々ベンガル語も話す。さすが白人。従って、最近のバングラ人との交渉はすべてトビーに任せっきりだ。楽だ楽だ。
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バゲルハットのモスジット |
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夕方過ぎ、次の目的地バゲルハットへ到着した。ここでは世界遺産に登録されているモスジットを見学することが目的である。15世紀前半、当時の王であったカン・ジャハンが造った建造群はカン・ジャハン様式と呼ばれる独特のもので、現在も遺跡ではなく皆の信仰の場とされている。 (写真右:バゲルハットのモスジット)
本日の最終目的地クルナに到着した時にはすでに真っ暗になっていた。知らない街に夜到着ができるのもパートナーがいるお陰である。一人では危ない。しかしそのパートナーともここでお別れである。ダッカに戻らなければならないのだ。残念だがこれも旅人の定め。トビーにはお世話になった。たった2日間だったが、その間の交渉や英語の練習台、またバングラディッシュでは、我々外国人を地球外生物のような眼差しで見つめる奴らが多いのだが、ここ2,3日はすべてトビーが身代わりになってくれた。白人は目立つ。名残惜しいがトビーに別れを告げ、クルナで宿を探す。安いがバングラの中ではなかなか居心地のいい宿だった。
慌ただしく色んなことがあった日だった。そしてなんとも言えない気持ちになった日でもある。
とりあえず美味しいチャイをすすりつつ食事を終え、部屋に戻ってからバケツに用意してもらったお湯を頭からかぶった。
北上してきた為か少し涼しくなってきた気がする。
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モングラでの
船のチャーター: |
モングラでシュンドルボン往復の船のチャーター料金。900タカ/4時間。食事などは持参。訪れた時は、シュンドルボン内にある公園のような場所に寄ってくれた。一応木などで舗装された道がある。 |
4.世界遺産「バハルプール」、そしてインドへ
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