1.長崎へ出発 以前モルディブに行った際に貯まったANAマイルの期限が切れそうなのでどこか特典航空券で行ける場所を探していたところ、長崎と言う地名が出てきた。 長崎には今年世界遺産に登録された軍艦島や、来年以降にも登録されるキリスト教教会群があるので興味のある場所だ。とりあえず行先は長崎でOK。ただマイルが貯まったと言っても片道分しかないので、帰りはLCC(ジェットスター)利用で考える。ジェットスターは長崎行きはないので、近場の福岡に行くことにした。福岡の近くにはこれまた世界遺産の暫定リストに入った宗像があるので良い選択かも知れない。福岡からはレンタカーで長崎に向かう。ちょっと大変だが、公共交通機関より小回りが利くので便利だ。 と言う訳で、旅の大まかなスケジュールが決まった。 旅の一番の目的はズバリ軍艦島。 世界遺産に登録されてとても人気が高まっており、船のツアーでしか行けない軍艦島ツアーはどこも超満員。毎日空きをHPでチェックしてようやく9月11日で3名分取れた。本当に人気がある。 後は航空券とホテルにレンタカーを予約して、準備完了。この準備をしている時間も結構楽しい。 Day1 行きはANA。特典航空券だ。朝一のフライトを取ったので午前8時発とちょっと早い。早朝に家を出て6時半前には中部国際空港に到着。愚息も2歳になったが、やはりまだ早目の行動がいい。 ちなみに前日は台風18号が愛知県の空港近くに上陸。縦断して日本海に抜けていった。一日ずれていたらフライトもちゃんと飛べたか分からない。昨年の宮古島、今年の沖縄と本当に台風に振り回される。毎回上手くかわしてくれてるのだが。
名古屋―福岡間はスターフライヤーという真っ黒な飛行機であった。共同運航便らしい。機材も新しく、すべての席にモニターがあるのは嬉しい。機内サービスは飲み物だけ出た。ちなみに国内線は3歳未満は席なしで可能で、愚息は親の膝の上での移動となる。 定刻通り離陸。途中窓からは琵琶湖や瀬戸内海と行った美しい風景が見られた。国内線ならではかな。海ばかりの国際線とは違う。 これまた定刻通りの9時半に福岡空港に到着。2回目の利用となるが前回の記憶はほとんどない。ちょっと古い感じのする空港だ。改修工事をやっているのかな。至る所で工事している。ちなみに福岡はちょっと寒いなあ。まだ9月なのにひんやりする。半袖半ズボンなんて自分以外ない。昼になれば暖かくなるのかな。
すぐさま予約したスカイレンタカーの事務所へ。空港の斜め向かいにある。ちょっと分かりにくい場所だ。事務所は狭く、車もほとんど止められない。人も狭いので、次々とやってくる客にてんわやんわとなっている。 まあそれでもそんなにストレスと感じるほど長くは待たされずに車を借りることができた。やって来た車はなんとカローラのハイブリッド車。しかもセダン。びっくりした。軽以外なら問題ないと思っていたが、まさかハイブリッドが来るとは。自分の車としては絶対に買わないが、レンタカーとしてはガソリン代が安く上がるのでラッキーである。 近くのコンビニで軽く軽食をとって、いざ長崎へ出発。 福岡はまだ日本海に抜けた台風の影響で晴れたり雨が降ったりしていたが、福岡から佐賀に入り、そして長崎県に入る頃にはすっきりとした晴れ間が広がっていた。晴れ男全開。カローラもまずまず運転しやすい。 福岡を出発して2時間半、最初の目的地の出津教会堂の近くまでやって来た。結構遠いなあ。。。時刻は13時近いので、偶然通りかかった道の駅「夕陽丘そとめ」で昼食とする。
この「夕陽丘そとめ」だが、レストランはあるもののメニューはバイキング(1,200円)かトルコライス(800円)しかないと言う。そんなにお腹は空いていなかったので、トルコライスを注文。ちなみにトルコライスとは、一応長崎の名物でプレートにピラフ、スパゲッティ、そしてカツが一緒になったもの。名前の由来は色々説があるらしいが不明とのこと。 しばらく待って料理が運ばれてきた。そしてやって来たトルコライスを見てちょっと固まった。 「ちょっと重いかも・・・」
分かってはいたのだが、ちょっと量が多い。油ばかりの料理なのでおっさんにはちょっときついかな。とても美味しそうなのだが、学生さんにはいいかもしれないが間違っても食の細くなったジジイ向きではない。まあこれも経験。頑張って食べた。 ちなみのここのレストラン、大きな窓から海の景色がとてもいい。夕方には夕陽が美しいそうだが、まだ昼なのでそれは見えない。でもそとめ(=外海)という意味だと思うが、本当に海が綺麗だ。天気がいいのでなおさらいい。
食後は景色を楽しみながら少し散歩。ちょっと風は強いが、逆に涼しいくていい。長崎の綺麗な海がよく見渡せる。台風が来た時には正直晴天は諦めたが、やはり旅の青空は最高だ。
さて、食事を終えてから出津教会堂に向かった。 ここは世界遺産の暫定リストに入っている「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産のひとつだ。おそらく近いうちに登録が決まると思うので、訪問しておく。ご存知の通り長崎はキリスト教が広く信仰されていた地で、ここもフランス人のロ・ド神父が布教や地域の為に力を注いだ場所である。 ナビ通りに車を走らせ、すぐに教会の駐車場にに到着。平日の昼間なので誰もいない。参拝者用の駐車場だが、ミサなどがない場合は訪問者でも駐車可能とのこと。駐車場から教会堂までは少し畑の中などを歩く。 9月上旬ではまだやはり昼間になると暑い。坂を上るので、だんだんと汗も出てくる。しばらくして教会堂が見えてきた。
「たびねす」に旅の原稿を書くようになってから、写真の撮り方には少し気を遣うようになった。簡単にできるのは順光撮影。太陽を背にして写真を撮ると青空がよりきれいに映るのだが、今回の出津教会でも訪問時間と教会の向きを事前に調べて午後にやって来た。まずまず納得の写真かな。 白い教会の建物に青い空がとても映える。周りはとても静かな田舎で、お祈りをするにはとてもいい環境に思う。でも正式に世界遺産に登録されたら、長崎から車で来られるこの教会ものたくさんの人が来るのかと思う。ちなみに内部見学には事前許可が必要なのでご注意。
教会を後にし、長崎市内のホテルへ向かう。チェックインが15時なので、ちょうどいい時間だ。 長崎市内に入り路面電車が見え始めると、結構渋滞してくる。注意深くホテルを探して走り、ようやく到着。今回泊まるのは「エスぺリアホテル長崎」。楽天トラベルで予約。長崎市内にあって、とても便利な立地にあるホテルだ。また朝食に長崎名物をたくさん提供しているので、別途朝食もお願いした(1,100円/人)。 部屋は清潔。何故か最上階の14階、グランドフロアーなる部屋に通された。景色がとても綺麗でいい。バス、トイレ、洗面だが独立しているのもありがたい。 少し休憩して、早速近場の観光に出掛ける。
まず向かったのは出島。ホテルを出てすぐ先にある。途中カステラで有名な文明堂総本家の前を通る。いずれお土産で買おう。 5分ほどで出島に到着。出島と言えば日本人なら誰もが学校で習う有名な場所。鎖国中の江戸時代、ポルトガルやオランダ人が唯一滞在できた島として築造。コーヒーやビールなど今ではお馴染みである様々な西洋文化が日本に伝えられたとのこと。これは訪れるまで知らなかった。 今は明治時代にその特徴である扇形の島が埋め立てられてしまったが、復活に向けて様々な取り組みが行われているらしい。当時の建物は幾つか復元し、また扇状の島も地質調査などを行いいずれ復活させるらしい。 入場料510円を払い入場。復元されたという建物が道の両側に建てられている。まあただ復元されて時間が経っていないので、ちょっと新しい感が似合わないのは否めないかな。ただ当時の食事や部屋などが見学できて勉強にはなる。お土産屋さんなどもあるが、やはりちゃんと島として復活してからまた来たい場所だ。現時点では工事だらけで中途半端である。
出島観光の後は眼鏡橋へ。 寛永11年(1634年)に架けられた長さ22mの石橋だ。日本最古のアーチ形石橋として国の重要文化財にも指定されている。見ての通り、アーチ部分と水面に映る橋がちょうど眼鏡に見えるから名付けられた。 もう夕暮れ時だったので夕涼みに来ている地元の人や、ちらほらと観光客の姿が見える程度だ。観光地というよりは、普通の街の一部として存在している。愚息とアイスクリームを食べながら少し休憩し、夕食の為中華街へ向かった。 地図で確認すると中華街までは遠く見えるが、長崎の中心部って意外と歩けてしまう距離にある。眼鏡橋から中華街までも少し距離があるように思ったが、思い切って歩いて見ようと思った。 中華街近くは結構な繁華街になっている。17時半を過ぎているので買い物に来ているおばちゃんや、仕事帰りのサラリーマン、そしてこれから仕事に行くおねーちゃんなど色々だ。15分ほど歩いて中華街に到着。やはり近かった。早速店を探す。
ふらふらと歩いて店を物色。まだちょっと時間が早いのでお客は少ない。中華街と言うと高いイメージがあるので、店の前のサンプルと値段をよ〜く見てうろうろする。 結局決めたのは東門の所にある江山楼という店。すぐ近くに本店があるが、こちらはもう行列ができている。食べたかったのは長崎ちゃんぽんと豚の角煮をマントウに挟んで食べる「角煮まんじゅう」。でもこの角煮まんじゅうだがちょっと高い。値の張るところではひとつ1000円もする店もある。その中で比600円と較的良心的な値段で出していた江山楼に決めたのだ。 平日の為か、夕方前の混み合う時間でも待ち時間5分ほどで席につけた。早速ちゃんぽん(800円)と東坡肉(とんぽうろう=角煮まんじゅう1200円/2個)、そしてシューマイを頼む。待っている間周りから聞こえてくるのは、地元以外の人の話。観光客が多いようだ。 料理は意外と早く持って来てくれて早速頂く。 「うまい!!」
ちゃんぽんはいろんな物が入っているのにまとまりがあり、とっても優しい味が印象的だ。そして角煮まんじゅうは口に入れるとすぐに溶け出す。見た目も美味しそうだが、味も正にそのままのものだ。次から次へと客がやってくる流行の店らしく、味も良かった。大満足。やはり旅先では美味しいものを食べると元気になる。 店を出ると外はもう真っ暗。間もなく19時だ。今日は早朝からかなり動いているが、最後にもう一ヶ所行っておきたい場所があったのでそちらに向かう。 向かった先は長崎県立美術館。中華街からは徒歩で十分行ける場所にある。こんな時間から何をするかというと、もちろん美術品鑑賞ではない。ずばり夜景だ。閉館の20時までは美術館の屋上から長崎の夜景が楽しめるのだ。 歩いて歩いて美術館のエレベーターに乗り屋上庭園へ。 少し吹き付ける風が冷たく感じるが、日没間もない美しい夜景が広がっていた。
これが無料だから嬉しい。ほとんど人もおらずとても雰囲気がいい。稲佐山と長崎港の夜景がとても綺麗だ。 新しく替えた一眼レフは高感度で撮影ができるので、三脚を持ってこなくてもほとんどブレずに撮影が可能だ。時代の進歩を感じる。日が沈んだ直後のまだ少し明るい夜空が長崎の光と相まって、とても幻想的だ。正直「食事」でもしたいくらいだ。 しばらく撮影して歩いてホテルに戻る。ホテルの部屋からも美しい夜景が見られた。いいホテルだな。
今日は疲れたので夜は熟睡である。 明日はこの旅のメインである軍艦島観光。楽しみだ。 データ:
2.軍艦島 Homeにもどる |