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2011年10月9日〜10日 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
From Nagoya | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
北陸ドライブ
Day 1 行き先は色々考えたが名古屋からそれなりに距離を走る北陸とした。立山や白山など登山で近くまでは行く事はあっても、北陸を観光したことはなかったので、たまにはいいかと思い宿を予約し早朝名古屋を発つ。 北陸と書いたが、最初に向かったのは白川郷。大昔に行ったことはあったがこのサイト(世界遺産のページ)でまともに載せる写真もなかったので寄り道で行って来た。 名古屋を午前5時半に出発し、東海北陸道を順調に北上し白川郷に到着したのは午前7時半過ぎ。まだ店の多くは閉まっているが、荻町駐車場にはもう多くの車が停められていた。駐車料金500円を払い、まず向かったのは城山展望台。上から見下ろす白川郷の多くの写真がここから撮られている。後で知ったのだがここの展望台までは車でも行けたのだが、この時はまだ知らずに歩いて向かってしまった。駐車場で貰った地図を手に山道のような登りを歩く。幸い登山が趣味なので問題ないのだが、真夏ならかなり疲れる登りだと思う。 10分弱ほどで展望台に到着。昔ここに城があったようだ。景色はまずまず。確かに一望はできるが、時期も悪ければ時間帯も悪かった。夏の緑でもないし、秋の紅葉でもない。紅葉に向けて生気のなくなった葉が茂る木々と、刈り取られた寂し田んぼ、朝霧も晴れてしまい逆光でしょぼい色合いとなっている。写真としてはつまらない条件だが、まあ仕方がないか。いずれ冬の白川郷に来てみたい。
景色を堪能した後、別のルートで下山(アスファルト道)。こちらの方が楽だった。 ここからは白川郷の街を散策する。まず現れたのは和田家。白川郷の中でも特に有名な合掌造りの家だ。江戸期に名主や番所役人を務めるとともに、白川郷の重要な現金収入源であった焔硝の取引によって栄えた家らしい。一階と二階を300円にて一般公開している。 ぜひ中を見たかったので入場券を買って早速入ってみる。 木や畳で作られた日本の古民家がそこにあった。囲炉裏や古く黒色に煤けた木々は何故か安心を与えてくれる。日本の林業復活の為にももっと囲炉裏のようなものを今の住宅に活用してみてはどうかなどと思ってしまう。 二階には見事な柱が何本も組み合わさっている様子が見られる。一本一本手作業で結ばれてゆく柱と柱。桶などの古い木の日用品や蚕を育てていた様子も見ることができる。改めて思うのは「木」というのはとても居心地がよい。
和田家を後にしてからは白川郷を自由に歩くことにした。 たくさんの合掌造りの家やお土産屋、そしてここに住む人達の生活の香が非常に感じられた。時間とともに観光客も増えてきて改めて「観光名所」だと思わされるが、それ以前に「人が住む場所」としての印象が強く感じられた。合掌造りが本領を発揮する積雪時にもぜひ来てみたい。
白川郷を後にして再び車に乗る。ナビで検索したところ予約したホテルに着くのが11時半ごろ。悩んだが先に車だけ停めさせてもらい、午後からは金沢観光に当てることにした。いやいや、相変わらずの無計画旅行。 高速を降り、やがて金沢市内に入って来た。ナビがない頃にはこれだけ車が増えると、地図を見るのも大変で焦って来るのだが、ナビのお陰で苦労する事なく予約したホテルに到着することができた。 宿泊したのはスマイルホテル。5,600円(2,800円/人)という安価で宿泊できるのだが、中身も清潔で充実していてかなりお薦めだ。(予約はYahooトラベルでしました⇒石川県のホテルを見る)チェックインは15時過ぎなので、車を停めてから市内観光に向かう。 金沢の観光名所は、気合を入れればほとんどが徒歩で行ける場所がほとんどだ。兼六園、金沢城、金沢21世紀美術館、ひがし茶屋街、近江町市場などなど。と言う訳で秋になり涼しくなった市内を歩く。 まず向かったのはやはり兼六園。水戸偕楽園(かいらくえん)、岡山後楽園(こうらくえん)とならぶ日本三名園の一つで、江戸時代の美しい庭園の姿を残す名所である。現在、「城下町金沢の文化遺産群と文化的景観」として世界遺産登録に向けて暫定リストに入るよう提案をしているとのこと。楽しみだ。 入場料300円を払い、早速歩く。季節がいいので歩くにはもってこいの時期だ。暑くもなく、寒くもない。入場は真弓坂口から。まず見えて来たのは瓢池。日本らしい庭園だ。さらに歩くと日本最古の噴水と言う「噴水」が見えてくる。ただこの時点で「日本最古」とは知らずに、「ちっ、ただの噴水か」程度で過ごしていた。しかもこの噴水自然の力で動いていると言うから凄い。それでも軽くスルーしてしまった。看板も「噴水」とだけしか書いていなかったし。。 先に進むと唐崎松という大きな松が現れた。池の湖面にまで枝が伸びている大きくて立派な松だ。しかしこの大きな松に気を取られ、兼六園のシンボルと言うべき「徽軫灯籠」をまったく見過ごしていた。ちょうどこの唐崎松と並ぶように置かれているのだが、そこだけやたら人が多いのと逆光だったのでまったく気付かなかった。ただ、後で写真を見たら運良く徽軫灯籠が写っていた。ラッキーだった。 ちなみに徽軫(ことじ)灯籠とは、二本足ので立つ兼六園の有名な灯篭とのことだ。 整備された庭園内を歩く。 たくさんの観光客がいて賑やかなのは良いが、外国人観光客が少ないのが気になった。入場料も300円と決して高くはないのだが何故だか外国人にほとんど会わなかった気がする。歴史ある日本庭園なのだが、印象は薄い気がする。時期が悪かったのだろうか。紅葉や冬の時期ならもっと違った顔を見れたのかもしれない。 最後に「根上松(ねあがりまつ)」というこれまた大きな松を見た。その名の通り根っこが盛り上がっている雄大な松で、大きさも十分だ。近くの椅子に腰かけて涼しい秋空の下、ゆっくりと松を眺めた。
兼六園を後にして、すぐ隣にある金沢21世紀美術館に行ってみた。 中心部以外は無料で入ることができ、周りには芝生もあって出店もたくさん並んでいた。体感できる美術作品もあるのだが、基本的には市民の憩い場的要素が強いように感じた。実際、芝生やベンチで休んでいる人が目立つ。アート系のお土産も売っていて、遊び心一杯のお土産も買える。
美術館の後は、ひがし茶屋へ向かう。 ここは金沢に残る3つの茶屋の中でも一番大きなお茶屋街で、金沢城下で栄えた江戸時代のお茶屋である。 ここもやはり物凄い人で、ちょっと散策しただけだが、観光客だらけであった。その名の通り、時代劇物で出てくるようなお茶屋がたくさん並んでおり、こんな場所でお茶や宿泊ができたら楽しいだろうなあと思わせてくれる場所である。実際喫茶はできるようだが、どこも満員でとても寄れない。散策だけでお茶屋街を後にする。 最後に向かったのは、近江町市場。金沢の台所と言われる市場だ。 金沢市内、しかも駅からも近いのでたくさんの人が訪れるのだが、いささか「観光地」と言った雰囲気が漂っている。無論「市場」なのだが、何か違う匂いも感じる。値段も安くないし、観光客慣れしているし、興味のあった海鮮丼もお世辞にも安いとは思えないものであった。楽しみにしていただけにがっかり。
午後3時を過ぎていたので一度ホテルに戻りチェックインをする。 夕飯までは部屋で休み、食事後は疲れたのでとっとと寝てしまった。 Day 2 2日目は朝からホテルの食事を大量に食べる。この価格でバイキング式の朝食が付いているので非常にお得だ。食べ過ぎた。 さて今日は能登半島をドライブするか、それとも福井の2大名所東尋坊と永平寺に行くか悩んだ。ナビの所要時間をにらみつつ出した答えは福井県。能登半島一周には時間が足りない。今日中には名古屋に帰らなければならない。遅くなると帰りの渋滞も心配だし。 と言う訳で金沢から福井県にある東尋坊まで下道でゆっくり走る。 しかしながら新車と言うのは良いもんだ。ピッカピカだし、きびきび動いてくれる。何より念願だったマニュアル車(MT車)なので、運転も楽しい楽しい。と言う訳であっという間に1時間半のドライブが終わり、東尋坊に到着。 東尋坊とは海面から25m以上もの断崖絶壁が1kmも連なる景勝地である。なんでも東尋坊と言う悪僧が恋敵の僧に、ここで行われた宴会のさなか海に突き落とされ、その東尋坊の怨念がこの奇形な崖を作り上げたとか。でも、僧が恋って。。。 市営の駐車場に停める。東尋坊見学だけなら基本無料のようだ。たくさんの食事どころがあり、どこかで食事をすれば駐車料が無料になる所もある。 車を停めて東尋坊の方へ歩くが、すかさず道の両側に色んな店が現れる。海産物を売るお土産屋。海鮮丼を中心に海の幸を味わえるお店。軒先にはイカや貝を焼いて売るいい匂いがたちこめる。まずは観光だが、それでも目はそちらへ行ってしまう。 商店街を突き抜けるとやがて海が現れ、断崖絶壁が見えてくる。 日本海だ。 大昔に海水浴で訪れて以来、随分久し振りの日本海となる。天気も良く観光するにはもってこいの日和だ。早速海の方に行ってみると、確かに見事な崖だ。荒々しい日本海の波がぶつかり、波しぶきを上げている。東尋坊の崖には柵もなく、うっかり転んだりすれば一直線に海へ落ちる。主要な歩道はコンクリートで舗装されているが、海の近くは天然の岩場そのものだ。たくさん観光客も来ており、中にはハイヒールなどの人も見かけるが、岩場は危ないだろう。 また船から東尋坊を眺める遊覧船も出ているが、30分1,200円と割高の為、却下。
帰りにちょっと早かったが、昼食を摂ることにした。 昨日から何度も見て来た海鮮丼にする。まだお腹がそれほど減っていなかったので、「ミニサイズ」のどんぶりを頼んだが、それでも1,000円はゆうに超える金額だ。昨日の近江町よりもやや安めの設定だが、それでも1,500円以上はする。高いなあ。観光客用の値段だとは分かっていても、海の近くだしもう少し安くできないのかな。コスパなら街中のランチの方が圧倒的にお得だ。しかもどこも同じような内容に、同じような値段、同じようなサービス。商店街だから同じにしなきゃならないのかな。近江町と東尋坊しか見ていないけど、北陸の海鮮には期待が大きかっただけに少しがっかり。
さて、とは言え一応おなかも膨れたので、最後に永平寺に向かうことにした。 永平寺とは、1244年に道元によって開かれた禅のお寺とのことだ。最初比叡山延暦寺で出家した道元は、その教えに疑問を持ち中国に向かう。その後帰国し布教活動に入るが、比叡山の迫害に遭ってここ福井で寺を建立。以後、曹洞宗の大本山として今に至る訳で、歴史あるお寺のようだ。 東尋坊から再び下道をゆっくりとドライブし、1時間半程度、山の中にあるお寺に到着した。駐車料金を払い、入場。 大きな木々が静かな静かな雰囲気を作り出している。観光客(参拝客?)は多いのだが、それも気にならないほどだ。拝観料を払い、最初に傘松閣に入る。鉄筋かと思われるような立派で大きな建物だ。現在も多くの僧が修行しているそうだが、造りはまるで大型旅館のよう。これだけ建物の規模が大きいお寺は初めてかもしれない。傘松閣にある絵天井はなかなか。天井に144名の画家による230枚もの絵がびっしり描かれている。大広間なのだが、なかなかの迫力だ。 寺の中は、ちゃんと見学路が矢印で案内されており、初めて行っても十分に楽しめる。ただ宗教知識のない自分のような人間には、少し持て余す場所かも。でも、道元の教えとして途中に飾ってある言葉には興味を引かれた。このようなことが人類みなできれば戦争など世の中からなくなるんだろうなとつくづく思う。
寺と言うよりはもはや一企業のような永平寺を最後に今回の北陸観光を終える。 メインは「ドライブ」なので楽しいMT車運転は続くが、北陸観光にはちょっと物足りない感じもした。 北陸とは直接関係ないのかもしれないが、日本に外国人旅行者が少ないのも良く分かる。ツアーならまだしも、個人旅行者ではこの国は非常に不便だ。ただでさえ物価が高いというハンディを背負っているのに、その他のインフラで他の国々と大きく差をあけられている。せっく国民性やもてなしの心は一流だと思うのに実にもったいない。 まあ、まず先にホテル料金を「部屋単位」にすべきだと思う。
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