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2016年11月13-14日
From Nagoya
秘境!飯田線の旅


秘境駅「小和田」



電車好きの愚息の為もあるが、個人的にも行って見たかったJR飯田線に乗ってみることにした。
ご存知の通りJR飯田線は、愛知県豊橋市の豊橋駅と長野県上伊那郡辰野町の辰野駅を結ぶ195.7kmのローカル線である。特急も走っているが、普通電車で乗ると7時間と普通にかかる路線である。そのローカル度も魅力だが、ここ数年ずっと人気が出ている所謂「秘境駅」にも興味があった。時間がかかるので一泊とし、今回立ち寄る場所は天竜駅「天竜峡」、秘境「小和田駅」、そして宿泊する温泉街「湯谷温泉」とした。

本来は名古屋を起点に土日祝日などに使える青空フリーパスを利用して、飯田、豊橋を経る計画を立てていたのだが、旅行2日目に天候が崩れる予報となっていたので、急遽飯田まで車で行き湯谷温泉へピストンする計画へと変更した。
と言う訳で朝午前7時に家を出て飯田に向かった。

天気は快晴。明日崩れると言うのが信じられないぐらいだ。長野に入ると気温がどんどん下がる。途中休憩した神坂Pでは、既に冬の感があった。さすがに寒い。
ところが飯田付近に入ると霧が発生。山を抜ければすぐに晴れるだろうと思っていたが、晴れるどころかどんどん濃くなる。ついに飯田市内に到着。どんより曇った空はもはや霧なのか曇りの天候なのか分らない。今日は紅葉が見頃の天竜峡見学を予定しているので、どうしても晴れて欲しかったのだが無念。予定通り飯田駅周辺に車を一晩置く為、コインパーキングを探す。





コインパーキングはすぐに見つかった。
が、高い。名古屋の感覚では1日預けても上限があり1,000円とか高くても1,700円とかで車を放置できる。しかしここ飯田駅周辺にはコインパーキングや有人駐車場はあるが、どれも上限を設けていない。ほぼ相場は1時間400円。朝預けて翌日の昼過ぎに帰ってくると12,000円(30時間)!夜間定額制を取っている場所でも6,000円ほどになる。異常なほどに高い。2〜3,000円は覚悟していたが、これではちょっと難しい。
悩んだがそのまま目的地である天竜峡へ向かう事にした。しかし結果的にこれが大正解であった。


天竜峡へは30分ほどで着いた。飯田でうろうろしていたのが9時だったので、現在9時半。JR飯田線の天竜駅をすぎると、結構たくさんの駐車場の案内を見つけた。そのうちの一か所に停車。どうやら無料のようだ。天候は相変わらず曇り空だが、時間を考えると散策を始めた方がいい。車を止め、散策を始める。


色好き始めている中央道 神坂Pは晴天 天竜峡の無料駐車場


天竜峡は「暴れ川」とも呼ばれる天竜川によって削られ作られた渓谷である。断崖絶壁で初夏は新緑、秋には紅葉が美しい国の名勝である。11月中旬ごろに紅葉のピークを迎えるので、今回もそれに合わせてやってきた。
天竜峡を船で下る「天竜ライン下り」も有名だが、一人2,900円もするので却下。代わりに天竜峡の10の奇岩や吊り橋などを渡れる周遊コースを歩くことにした。無論こちらは無料。

天竜峡を少し歩くとすぐに気付くのが、確かに紅葉がピークを迎えているという事だ。生憎曇りだが、それでも美しい。天気は天の気分。まあ仕方がない。少し歩くと姑射橋に到着。このあたりもとてもよく紅葉が色付いている。


いい具合に色付いている


この辺り車も通っているのだが、それほど車道も広くない。人も多く歩いていて皆が写真を撮っている。確かにピークなので美しい。
また姑射橋からの景観もなかなかだ。


天竜峡


天竜峡と紅葉


天気が良ければ・・・とつくづく思うこればかりはどうしようもないのだが。
なお散策地図は天竜峡のサイトからダウンロードできるので、それを事前準備。現地でも配っているようだ。一周1時間程度で歩けるお手軽コース。天竜峡からの電車が12時50分と考えると時間は十分にありそうだ。日曜日の為、割と人も多い。愚息が転ばないようにゆっくりと進む。


色付いた木々 天竜ライン下り 姑射橋


地図に沿って細い散策をを進む。昨日雨でも降ったのか露が下りたのか結構道は濡れている。登山靴ではなく普通のスニーカーなので、滑らないように気をつけなければならない。
散策路には天竜峡にある10の奇岩も幾つか見ることが出来る。それぞれに岩の名前が彫ってあり、一応観光名所にもなっている。パンフレットにも説明があり、読みながら見学するとそれはそれで面白い。
道は下ったり登ったりと結構繰り返す。時々現れる天竜川や美しい紅葉に癒されながらゆっくり進む。


散策路はしっかりと整備してある 10奇岩「浴鶴厳」 展望台「龍峡園」


途中にトイレスポットなどもあり、意外と親切な遊歩道に思う。登りは階段が結構続いたりもするが、ゆっくり自分のペースを守ればそれほど苦労もない。それにやはりこの時期は美しい紅葉に疲れも忘れる。
またリンゴ園などもあり、軽食もとれるようだ。寒いので飲まなかったが、100%のリンゴジュースもあるらしい。次回訪れることがあれば飲んでみたい。


結構階段もある 紅葉に疲れも吹き飛ぶ リンゴ狩りもできるようだ


リンゴ園を過ぎると下りとなる、するとすぐに見えてくるの東屋。なかなかいい雰囲気。そしてこの辺りの紅葉も素晴らしい。後で知ったのだが、ここは実は10奇岩のひとつ「龍角峯」の上であった。


雰囲気のいい東屋


姑射橋方面を眺める


反対側には吊り橋が


美しき散策路


改めて写真で見るとかなり綺麗だ。途中でお約束通り愚息が、「負んぶしろ」と言うので負ぶって歩いていてかなり疲れてきている。それでもこれは癒される。日本に四季があって良かったと心から思う瞬間だ。
展望台からは吊り橋も見える。「つつじ橋」と呼ばれているもので、これから下って渡るのだろう。ちなみにここ、70mほどの高さがあるので結構高いし風が強くて寒い。三脚立てたお爺さんがずっと天竜峡を捉えて動かなかったが、恐らく船が通るのを構図に入れたいのだろう。風邪には気をつけてほしい。

予想通り道を下ると、吊り橋に出た。近くで見ると意外としっかりとしている。これならまず大丈夫だろう。


道を下る 再び吊り橋が見えてきた 意外としっかり作られている


それでも渡り始めると結構揺れる。橋の幅もそれほどはないので、人とすれ違う時などは結構大変だ。また手すりが思ったよりも低い。強風時には気をつけなければならない。橋を渡り終えると天竜峡の名水がある。飲用は不可のようだ。

ここから再び散策路を歩き始めるのだが、木々の間から見える天竜峡がやはり美しい。この散策路は結構お勧めだ。ここに来たら是非歩いて欲しい。


木々の間から見える天竜峡が美しい


そして少しだけ進むと、前にせり出した展望台のような場所に着いた。ここ自体もなかなか絵になる。


黄色が美しい


そしてこの展望台からは「龍角峯」が真正面から見える。先ほど吊り橋を渡る前に高台から見ていた場所は、実はあの龍角峯の上だったとここで知る。


龍角峯


またここには地元の人(?)がいて、観光客に簡単な説明をしてくれる。龍角峯の左部分にその名前が彫られている事、また峰竜太はこの近くの出身でここから芸名を取ったなどなど。


展望台から龍角峯を望む ここに字が彫ってある 船も見える


終盤に来てなかなかの絶景。「絶景」という言葉はあまり軽々しくこのサイトでは使わないようにしているのだが、それほど期待していなかった事もあり十分すぎるぐらい良い散策となった。


見事な景観!


この後もゆっくりと駐車場方面に向けて歩く。黄色や赤の美しい紅葉の中を歩く事が出来るので本当に気持ちがいい。なおこの散策路、途中にスタンプポイントが5か所あって地図の裏などに押せる。全部集めるとお守りになるとか。


気持ちのいい散策路 落ち着いた山の雰囲気 スタンプ台


そしてここから変化が起こる。天竜峡中央パーキングに差し掛かった時、僅かな空の変化を感じた。
雲の隙間に青空が僅かに顔を出したのだ。
今日の天気図は高気圧に覆われて崩れる可能性は低い。実際飯田に入る前には晴れていた。となるとこの曇り空は「霧」である可能性が高い。近くの高い山から見れば雲海の下を歩いてるような感じだ。だから日が上り、強く差すようになれば「霧」は晴れる。

午前11時、予想通り青空が開けてきた。
見る見るうちに雲が晴れ、雲ひとつない晴天となった。1時間前からは信じられない光景だ。でもこれが山。と言う訳で、ここからは青空の写真となる。


青空が出てきた 伏見田尻稲荷 姑射橋に戻ってきた


だいぶゆっくり歩いて約1時間。時間は午前11時過ぎ。朝が早かったのでここで昼食にすることにした。
向かったのは信州名物「馬刺し」が食べられるという「辻本屋」。天竜駅からも歩いてすぐの場所にある。が、、、営業はしているもののなんと「本日 貸し切り」の文字が。。やはり日曜日。人が多いせいか。


仕方がないので駅近くにあるそば屋に入る。
老夫婦の営むそば屋で、開口一番

「りんごを買いに来たのか」

と聞かれた。りんごの予定は全くなかったのだが、それ以降もずっとりんごの話をしてくれた。ここは日本一のりんごとのこと。食べたのはそば。大根おろしが入ったもので苦く、愚息には無理であった。


JR飯田線「天竜駅」 そば屋 そば


そばを食べながらやることは決まっていた。

「もう一周、散策路を周る」

理由は簡単、「晴れたから」。晴れの写真が欲しい。それだけだ。嫁に話すと「一人で行ってこい」とのこと。そう決まれば話は早い。車を中央パーキングに移動し、嫁に鍵を渡してひとり散策路を先ほどとは逆に歩く。時刻は12時。12時50分には列車が出るので、できれば30分ほどで戻ってきたい。

愚息を負ぶっていない分動きは早い。また撮影ポイントも把握しているのでスムーズに撮れる。と言う訳で皆がゆっくり景色を楽しんでいるなか、一人駆け足で動き回る。

しかし写真を撮りながらふと思う。
「何か違う」

確かに青空が出て空は綺麗なのだが、何枚か写真を撮っても「これ!」と言う写真がない。結局予定通り30分ほどで1周してきた。ダウンコートなどを着ている人がいる中、最後は半そで。ちょっと浮いていた。以下撮った写真。


つつじ橋 つつじ橋からの天竜峡 龍角峯から

東屋付近 りんご園前 姑射橋から


確かに紅葉樹の下から逆行気味に撮った写真は美しい。ただ全景を撮った順光の写真ではイマイチの写りである。恐らく写真の中の明るさに差があり、明るい黄色部分が飛んでしまったのだろう。これは日が差したので明暗がはっきりと出てしまったためと考えられる。
接写などでは晴天よりも曇りの方が綺麗に撮れるのだが、ここ天竜峡の紅葉でももしかしたら同じことが言えたのかもしれない。曇りの柔らかい光が明暗を出さずに紅葉(被写体)を照らす。
また上から見下ろすアングルが多いので、せっかく晴れても空も青く映らない。ネットで天竜峡と調べると意外と曇り空も多い。

そう考えれば午前中の1時間曇って「最悪だ」と思っていたのだが、もしかしたらここでは「好条件」だったのかもしれない。どちらにしろ「曇り」と「晴れ」と両方の条件で写真を撮れたのはとても幸運だった。


さて話は変わるが駐車場。先程の天竜峡中央パーキングに移動したが、無論ここも無料。トイレもあり中々の設備。実はその前に交通整理をしている地元の人に聞いたのだが、自己責任だったら一晩置いておいてもいいとのことだった。飯田のように高くなければ有料でも良かったのだが、このおじさんにかけることにした。しかし無料になるとは、、飯田は一体何だったのだ。



12時半、天竜駅に到着。50分出発なので十分間に合った。ただこの駅自動販売機がなく、全て駅員が対面販売をしている。当然シーズンに入っているので行列が。。しかも皆色々と駅員から情報を聞いて購入しているので、遅い。そうしている間に12時45分に。見兼ねた駅員が50分発の購入者を優先的に販売してくれた。助かった。

12時55分、ちょっと遅れて電車がやってきた。到着時とは打って変わっての晴天。電車には晴天がいい。


晴れて景色がいい 天竜駅ホーム 電車がやってきた!


電車に乗り込む。車内はいたって普通のJRの列車だ。ローカル線だからと言って車体も古いと言う訳ではない。車内だけ見れば都市部のものと言われても分らないだろう。
ただし車窓から流れる景色は全く別物。晴れてくれたおかげで景色がとても良い。この辺りはまだ山が深く、高くそびえる山々に天竜川のグリーンの水の色が映える。紅葉もまさにピークを迎えており、緑の山に赤やオレンジ黄色と言ったカラーが彩りを添える。やはり飯田線はちょっと特別な路線なのだ。


車内はいたって普通 紅葉が綺麗 山と川が美しい


途中頭上に大きな橋を架けている工事を行っていた。どこら辺か良く分からないが立派な橋のようだ。飯田線は「秘境」と呼ばれる路線だが、いずれはその秘境も少しずつなくなって行くのかもしれない。
窓から流れる景色は美しい。飯田に着いた時は曇りだったのが信じられないぐらいの晴天。明日は「曇り時々雨」との予報が出ているが、今日飯田線に乗ることにしたのはやはり正解だった。


工事中の橋? こちらは完成の橋 美しい景色


ちなみのこの飯田線、事前情報で知ってはいたが多くの車両にトイレが設置されている。全線で何時間も乗らなければならない列車なのでこの配慮は嬉しい。乗車中にもちろん利用してみたが、それは飛行機にあるようなコンパクトで立派なトイレであった。もっと狭く汚い(?)ものを想像していたのだが、やはりここは日本。さすがJRだ。

もうひとつ。飯田線の「ドアはボタンを押して開く」ようになっている。駅によっては自動で開くところもあるのかもしれないが、人の乗り降りが少ない駅などでは停車したドアの横にあるボタンを押して乗車する。下車する際も同じ。車内にある開閉ボタンを押して降りる。冬季に誰も乗り降りしない駅でドアを全開にするのは暖房の無駄になる為等の理由があるそうだが、これはこれで情緒があって面白い。


車内のトイレ 中々の設備 ドアの開閉ボタン


さてそうしている間にも列車はどんどん進む。狭い山間や川を渡ったり、車幅ぎりぎりの路線を走り抜けるのはなかなかスリルもある。意外とトンネルが多いには驚いたが、考えてみればこれだけの山中なので当然だろう。それでも時々見える民家には「どうやって暮らして(収入など)いるのだろう」と素朴に思う。


車窓からの風景 時々見える民家 すぐに景色が変わる


ご存知の方も多いだろうが飯田線は秘境駅がひしめく「秘境駅銀座地帯」。今回の列車旅でもその飯田線にある6つの秘境駅を全て見ることが出来た。
千代(ちよ/第29位)、金野(きんの/第7位)、田本(たもと/第4位)、為栗(してぐり/第17位)、中井侍(なかいざむらい/第14位)、小和田(こわだ/第3位)の6つ。要は近くにあまり民家もなく、車などが通る道もなく電車でしか行く方法がないような駅だ。今回の計画でも秘境第3位の小和田駅に明日行く予定。その他の駅も車内から見ることが出来た。


第17位「為栗駅」 第14位「中井侍駅」 第3位「小和田駅」


そうこうしているうちに中部天竜駅へ。この辺りまで来るともう深い山というイメージはなくなる。だいぶ開けてきており民家や集落も目立つ。今日到着予定の湯谷温泉駅へも間もなく到する。

14時57分、予定通りに今夜の宿泊地「湯谷温泉」に到着。約2時間の列車旅。暇になるかなと思ったが、車窓からの景色や秘境駅、愚息と遊んだりしているとあっという間に終わってしまった。考えてみればアジアではひとりで3日とか4日列車に乗っていたのだから、2時間なんてすぐだろう。


まもなく到着 さよなら電車 湯谷温泉駅


湯谷温泉は宇連川両岸に開けた温泉街である。1300年以上の歴史を持つ湯治場で、古くから訪れる人々を癒してきた。正直宿泊地はどこでも良かったが、飯田線で唯一「温泉」の名がつく駅だったのでここで泊ることにした。
駅から旅館まで歩くのだが、本当に田舎だ。それほど店もなく古びた旅館が川沿いに建ち並ぶ。田舎の山間の集落。雰囲気は好きだ。


宇連川両岸に旅館が建つ 吊り橋を渡って宿へ 今日の宿


今日の宿泊に選んだのは「湯谷温泉 湯の風HAZU」。露天風呂から宇連川が眺められる温泉宿。一泊二食付きで約8,000円(/人)とお得なプラン。部屋からの眺望は山側になるが、コンビニどころか食事場所もあまりないこの湯谷温泉なので宿で食事がとれるプランはお勧めだ。

C/Iするとすぐに部屋に通された。和室の落ち着いた部屋。但し全体的に古い。かなりの年季がある。一部リフォームもされているが、窓枠などの鉄が錆びているのは残念。トイレも和式。今学校などで「和式がいかん」みたいなことを言っているが、世の中には和式がわんさかとあるぞ。体が不自由な子は別として、学校でこそ家庭にはない和式の練習をすべきではないかと思う。


湯の風HAZU 和室の部屋 テラスでコーヒーが飲める


と言う訳で宿自体はそれなりのもの。最近多い「ホームページとの印象がちょっと違う宿」であろう。
ただし接客はとても良かった。食事中にも愚息を気遣ってくれたり、部屋に虫がいたのだが、すぐに殺虫剤で対処してくれた。またこの宿の自慢の露天風呂はやはり格別。ちょっと今年は色づきが悪かったが、紅葉を愛でながら風呂に入れる。露天風呂も程良く古びており、これはこれで情緒があってよい。食事と風呂の日帰りプランもあるので、それでもいい。


展望露天風呂




ローカル線の飯田線。その山間の温泉街。全てを求めてはいけないが、この温泉に入れるだけで十分かな。

久しぶりの温泉を十分に満喫し、部屋に戻る。この日のために買っておいた発泡酒ではない「ビール」を一気に飲み干す。早朝からの運転、急なプラン変更、2周もした天竜峡、そして長風呂。缶ビール一本で酔ってしまった。でもまあそれもいい。愚息はいつもとは違った部屋に飛び跳ねているし。

18時より夕食が始まる。食事は別の広間に通された。一応懐石。前菜から順に運んで来てくれる。嫁と愚息は美味しそうに食べる。しかしこちらは夕食の写真をしっかり撮りたいので、ある程度揃うまでは食べずに我慢、注文したチューハイをひたすら飲む。料理を運んでくれる従業員の方が視線が突き刺さる。以下苦労して撮った夕食の写真。


賢島行き


一番美味しかった愛知牛が右上に切れてしまった。味はまあ普通かな。温泉に比べるとやや劣る。でも事前に愚息のために色々と準備していてくれたのは有難かった。
食後に再度露天風呂に入り、就寝。夜は川の流れる音と、時々聞こえる飯田線の列車の音が心地よく響く。






翌朝は6時に起床。予想していたが曇り空。まあ仕方がない。
朝食は8時から。朝からなかなか立派である。一度にすべて持ってきてくれるので写真撮影も楽だ。助かる。食後もう一度風呂に入ることにした。露天風呂は夜の21時から朝の10時までは女性用。男女交替で利用するので今は内湯になる。風呂を終えてからすぐにチェックアウトを行う。今日の列車は午前9時33分。それほど余裕はない。


「湯の風HAZA」から国道151号線を歩き、湯谷大橋へ。ここからまた宇連川の景色を眺める。紅葉もだいぶ色付き中々綺麗だ。馬の背岩と言うのが中洲にあるのだが、あまり分らなかった。そのまま橋を渡り、駅方面に向かうと温泉スタンドがある。100L/100円と恐らく安いのだろうか、家でも温泉が楽しめる。足湯も楽しめる。でも実はここ以前「愛知の130山」の帰りに通った場所だ。当時は湯谷温泉の名を知らなかったが、この辺りも確実に登山エリアである。


朝食 湯谷大橋からの眺め 温泉スタンドと足湯


さて湯谷温泉駅に到着。今日は曇りなので風が吹くとちょっと冷える。
時間通り9時33分に列車が到着。今日は平日なので昨日よりも車内はガラガラ。下りの場合向かって左側が比較的景色が良いのですぐに座る。今日の目的は秘境第3位の小和田駅。車掌に「小和田」と伝えると、一瞬、間があってから普通に切符を渡された。



朝の湯谷温泉駅 電車がやってきた ガラガラの車内


電車はごく普通に走る。今日は天気が悪いので車窓からの景色も昨日よりはやや劣る。途中中部天竜駅で待ち時間があり、その後予定通り11時19分に小和田駅に到着。この時は気付かなかったのだが、下車客が「我々だけ」だったのはとても幸運なことであった。

JR飯田線「小和田駅」。秘境駅第3位を誇る陸の孤島のこの駅は、もちろん車も通っておらず徒歩でも山中を1時間ほど歩かなければ辿りつけない。以前は民家もあったそうだが、今はも住んでいないらしい。良く分からないがネットでは「理想」の秘境駅だそうだ。
木造の駅舎も秘境の名にふさわしいもの。なかなか趣があって良い。確かにこの時代あまりこのような駅舎は残り少なく思う。


JR飯田線「小和田駅」


駅舎内にはネットで何度も拝見した挙式の写真がある。以前皇太子とご結婚された雅子様の旧姓が「小和田」と言う事もあり、恋愛成就の駅として色々PRを行い実際ここで挙式をされたそうだ。その当時はそれ以降あまり広がりを見せなかったそうだが、皮肉なことに今の時代になり秘境駅として再度注目され始めている。もしかしたらまた結婚式を挙げる人も現れるのではないかな。秘境駅好きでここで出会った二人とかが。。


小和田駅に到着 花嫁号も走っていた! 挙式の様子を伝える写真


駅舎は木造で雰囲気がすごく良い。椅子なども全て木製。年季がある。以前はここでも切符の販売をしていたようで窓口もその痕跡もある。全てが忘れ去られたような鄙びた駅舎だが、もちろんこれでも現役。人気があるのも理解できる。


味のある駅舎 年季の入った木製椅子 現役を伝える時刻表


そしてここ小和田駅のもう一つの楽しみ、それはここを訪れた人の記念ノートだ。こんな小さな駅とは思えないほど充実している。多すぎてとてもすべて読むことは出来ないのだが、色々な人の思いが良く伝わる。その中でも絵が上手な人がたくさん絵を描いてくれており、一見の価値はある。幾つか抜粋。


イラスト1 イラスト2 イラスト3


サインなども入っていたが有名な方なのだろうか、ちょっと存じ上げない。ただ趣味にしろプロにしろかなりの腕前。本当にいろんな人に愛されている駅だとつくづく感じる。一応自分も思い出に筆を走らす。

次、小和田駅を出発する列車は13時19分。到着から約2時間ほどの滞在なのだが、既に1時間近く経つ。「秘境駅で2時間」、最初は嫁や愚息もいるのでどうしようかと思ったが、全く心配ないようだ。


さて小和田駅に着いて色々拝見しているうちに、少し雨が降ってきた。強くなる前に周辺を散策する。
駅舎を出てまっすぐ行くとやや下りになる。数十メートルだがその先にネットで何度も拝見した東屋がある。先の恋愛成就の一環だろう、「愛」と書かれた椅子がある。これも有名だ。そのすぐ下には廃墟と化した工場が。この先30分ほどで朽ちた橋などもあるそうだが、天気も悪いので今回は却下。


駅舎を出ると下り坂 すぐに東屋がある 廃墟と化した工場


駅舎に戻りホームを見学。立派な小和田駅の看板の近くに面白い看板がある。愛知静岡長野の県境を示す看板。厳密には違うそうだが、これまた秘境っぽくていい。その先の天竜川の景色も良かった。
この時駅舎から踏切の音が聞こえてきた。滞在中は電車は来ないと思っていたのだが、いきなりやって来た!


3県の県境 ホーム端からの景色 電車がやって来た!


良く見ると普通列車ではなく特急列車であった。だから時刻表にも記載がなかった訳だ。しかしびっくりした。列車が来る際には駅舎にあるスピーカーから踏切の音が流れる。なるほどねえ。

再び駅舎に戻る。昨日買った置いたおにぎりやお菓子などを食べて過ごす。少し雨も降ってきて静かな駅に鳥の声と雨の音だけが響く。本当に静かだ。今改めて思うのはこの静寂は貴重な時間なんだ、と。秘境駅を感じるにはやはりこの静寂が必要だ。今回は愚息と嫁もいるが、ひとりであったらもっと感じられたのかもしれない。そして一緒に小和田駅に降りた人が誰もいなかったのも幸運だ。自分たちだけの時間を空間を持つことが出来た。
今JRでは秘境駅号として順番に秘境駅を巡る特別列車を運行しているが、20分ほどの滞在でしかも大勢の人と一緒となると、この秘境駅が本来持つ静寂を感じることはできないだろう。雰囲気だけでいいなら十分だが。


誰も来るはずのない静寂の空間。ところがどこからか人の話し声が聞こえてきた。

「え?」


作業員の方々


天竜峡方面から線路を歩いて作業員の方々がやって来た。駅にある配電盤のようなボックスをチェックすると再び次の駅へ向かって歩いて行った。驚いた。。この雨の中、歩いて、しかもトンネルも超えて。ご苦労様である。


残りの時間は再び色々と散策をして過ごす。ちなみに駅舎から出てすぐ真正面にある山、八嶽山というのだが、以前登った事がある。愛知の130山という愛知県の低山登山の本があるのだが、そのひとつに含まれている。登山口まで名古屋から3時間。やはり秘境である。


正面の山が八嶽山 静かなホーム 駅舎入口


13時19分、踏切の音が鳴り予定通り電車が到着。
代わりにひとりの若い男性が小和田駅で下車した。雨は止んでいたが、一本遅ければ彼と一緒に駅舎で2時間過ごすことになっていたのかもしれない。

車内はガラガラ。平日だし当然かな。天竜峡までのチケットを購入して、景色を楽しむ。今日は雨なので昨日のような美しい景色は見られない。霧や雲の風景も悪くはないのだが。


思い出に残る駅舎だった さよなら小和田駅 雨の風景


14時過ぎ、無事に天竜峡に戻って来た。
とりあえず自己責任で置いてきた車が心配ですぐに確認に行ったが、無事駐車されていた。良かった。少し時間が遅くなったが、昼食を昨日行けなかった辻本屋でとることに。


ところが営業中となっていたが、入るともう「昼休み」とのこと。残念、嫌われているのか。と思っていたら、店のおやじがせっかく来てくれたのだからいいよと言ってくれた。良かったこれで馬刺しが食べられる。
自分は馬刺し、嫁はうどんを注文。馬刺しは、、まあまあかな。味はいいが、やはりちょっと生の肉は自分には合わないかも。でもこれも経験だ。

帰りは天竜峡付近でりんごを購入。やはり昨日のそば屋のおやじのりんご話が頭に残り、せっかくだから買っていくことにした。ところがこのリンゴがとても美味い。寿司や牛肉でも美味いものは口に入れるととろけるのだが、ここのリンゴも大袈裟かもしれないがとろける様な感覚がある。熟して甘くなるのではなく、新鮮だが甘い。食べたのは「シナノスイート」と言う大き目のリンゴ。無論お土産に購入した。


馬刺し定食 天ぷらうどん 美味しいリンゴ


食事を終え今旅はほぼ終了。
時間があったので帰りは紅葉を見るために下道で。紅葉された木々がすごく綺麗だった。

愚息のために電車旅を最近行っているが、もはや今は間違いなく「自分が楽しむ旅」となっているのは間違いない。電車の魅力は計り知れず、である。またそこで訪れる各地の表情も面白い。景色だったり食べ物だったり。もっとこのような長い距離が楽しめる普通列車が増えるといいと思う。また違う秘境駅とかにも行ってみたいなあ。








データ:
JR飯田線(天竜峡⇒湯谷温泉) ・・・ 1,490円/人
湯谷温泉 湯の風HAZU ・・・ 8,910円/人(別途入湯税150円/楽天で予約)
JR飯田線(湯谷温泉⇒小和田) ・・・ 840円/人
JR飯田線(小和田⇒天竜峡) ・・・ 670円/人
馬刺し定食 ・・・ 1,400円





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