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2006年12月29日〜31日
From Chiangmai




パーイ地図





パーイ。
何の変哲もないこの北タイの山奥にある街が、ここ数年すごい勢いで名を馳せるようになった。白人バックパッカーを中心にこの小さな街に多くの旅行者が行き交う。そんな不思議な街「パーイ」に今回訪れてみる事にした。

年末の休暇を利用しての旅だったので、チェンマイのバスターミナル(アーケード)は案の定ものすごい人でごった返していた。普通、バスターミナルに着いた途端多くの運転手が寄ってくるのだが、誰一人としてその「出迎え」がなかった。さすが年末である。

以前、パーイ行きは中型のバスしか走っていなかったそうだが、現在はより早く到着できるワゴン車もチェンマイ〜パーイを走っている。さすがにワゴン車は混んでいる様で満席だったが、ファンバスなら10時半発がまだ空いていた。すぐさま予約(72バーツ≒220円)。


「タイのスイス」とも呼ばれるパーイが栄えるようになった理由にメーホンソンがある。メーホンソンと言えば首長族で有名な街で、毎年多くの旅行者が訪れているメーホーソン旅行記へ。しかし、そのメーホンソンは山奥、チャンマイからバスで7〜8時間も掛かり、しかもかなりの悪路で有名だ。そこで、チェンマイとメーホンソンの中間にあるパーイは休憩街として人が集うようになった。しかし誰がここまで有名になると想像しただろうが。




バスには予想通り、タイ人に交ざって多くの白人が乗っている。しかもバスが小さいので、その分座席も小さくなっている。日本人である自分でさえ結構狭く感じているのだから、彼らはもっと大変だろう。しかも4時間も掛かるそうだ。さらに狭い隣の席には、どうみてもイケてないオヤジが座っている。超接近である。
発車までしばらくじっとしていたが、気持ち悪くなってきたので、一度降りて外の空気を吸う事にした。しかし、運はまだ我にあったようで、再び座席に戻ってみると、なんと隣が若いギャルに変わっていた。陽は昇ってもまだ少し寒い冬のチャンマイなのに、大きく胸元が開いたTシャツを着ている。どうしても目がいってしまうのは仕方ないだろう。4時間、なんとかしのげそうだ。


目一杯乗客を乗せたバスは順調にパーイを目指す。かなりの悪路と聞いていたが、昔行ったターク→ウンパンの方がはるかに酷い。通行量が多いので整備したのだろうか。
隣の姉ちゃんの胸元に目をやりつつ3時間、午後1時過ぎにメーサと言う場所に休憩の為停車した。メーセは街と言うよりは「通り」と言った方がいいぐらい何もない。しかもここで昼食だと思っていたら、休憩は10分。仕方なく外の空気を吸って車内に戻る。


混み合うチェンマイのバスターミナル バスの中 メーサで休憩


くねくねの道をトロトロと走る事本当に4時間、ようやくパーイの街に着いた。
思ったより小さく、そして思ったよりごちゃごちゃしている。何より人と車が本当に多い。道幅はタイの田舎道と同じぐらいなのに、そこに容量以上の車やら何やらが存在している。何故、こんな山を幾つも越えてきた田舎街に、これだけの人がいるのかと本当に不思議だ。

そしてその人と車の数と同じぐらい街も、、何て言うのだろうか、ほどよく垢抜けている。田舎町に似合わないぐらいお洒落なレストランなんかもたくさん目に付く。もちろんバンコクにあるような洗練されたお洒落ではないのだが、「田舎にある素材を上手く使った精一杯のお洒落」、と言えばいいだろうか。いわゆる白人が好みそうなカフェやレストランなどである。
もちろんそこに普通の民家もあったりして、それがまたパーイなのだろうとも思う。そして旅行代理店、インターネットカフェ(日本語有)など旅に必要な物はすべて揃っている。


パーイの街並み@ パーイの街並みA 夕暮れのパーイ



嬉しい事にパーイには温泉が沸いている。もちろんせっかくだから宿泊は温泉宿にしたかったので、街中でバイクをレンタルし(140B≒420円/1日、保険込み)、さっそうと10km離れた温泉宿を目指す。


本当はターパイ・スパキャンピングという宿に泊まろうと思ったが、何もない殺風景な部屋が2000B(≒6000円)とふざけた値段だったので、帰りに近くにあった同じ温泉宿スパ・エキゾチック・ホーム(SPA EXOTIC HOME)に寄ってみた。実はこれが大正解。外見はあまり気は進まなかったのだが、内装がなかなかお洒落。真っ白なふかふかシーツに、シックな木調でまとめられた部屋。コンクリートには出せない雰囲気がある。

そして、何よりも素晴らしいのが各部屋に引かれた温泉である。24時間好きな時間に、好きなだけ自分だけの温泉に浸かれる。価格は1000B(≒3000円)。安くはなかったが、宿泊する事にした。

「残念な事に宿泊できるのは今夜だけで、明日からの年末年始はすべて予約が入っているんだ」、と流暢なタイ語を話す白人が教えてくれた。
そうなのである。ここには若い白人の兄ちゃんが働いている。訪れた時は普通に庭を掃除していた。恐らくであるが、部屋のインテリアや庭の飾りつけなどは、この兄ちゃんのアイデアも入っている気がする。それぐらいさり気ないお洒落を感じる居心地のいい場所である。


気持ちがいい朝 ゲストハウスの庭 敷地内にある温泉プール
コテージの室内 室内温泉 こちらでコーヒーを


ちなみに後で知ったのだが、敷地内に温泉プールがあり、ここは24時間入浴可能だ(要水着)。つまり、冬のパーイなら綺麗な星空を眺めながら温泉に入る事もできる。知ったのは翌日の朝食後だったので今回は夜の温泉に入る事はできなかったが、もし次回パーイに行く事があれば、必ずまたここに宿泊したい。その時こそ「温泉&星空 withビール」を遂行したいと思う。(ビジターは100B/人)
ちなみに一応朝食は付くが、かなり少ないのでたくさん食べたい人は何かを買っておくのもいい。室内にはお湯が沸かせるポットもある。(部屋のアメニティーなどはこちら)


さて、部屋で一息ついたところで、次は明日泊まる宿を探さなければならない。何せ年末なのでどこも一杯だ。早いうちに予約をしておきたい。
30分近く掛けてバイクで市内まで戻り、数件まわってようやく300Bのありふれた宿に予約を入れる事ができた。セブンイレブンの目の前なので立地はいい。だが、暗い。まあ1泊だから仕方がない。

宿の確保ができ、やっと落ち着く事ができたのでお腹が空いてきた。時刻はいつの間にか17時を過ぎている。まともに昼食を食べていなかったので、腹が減るのも無理はない。そのまま街を歩く事にした。
たくさんの西洋風レストラン、カフェ、ゲストハウスが立ち並び、やはりなかなかの旅行街を作り上げている。そして相変わらず狭い道路にたくさんの車や人が歩いている。白人の長期滞在が多いパーイ。ここにどんな魅力があるのだろうか。物価が安い事、何もない事。2泊程度じゃ分からないかもしれない。

チキンターリーとラッシー
夕飯は何故かインド料理になった。ネパールで毎日のように食べていたダルバート(インドではターリーかな)である。本物のインド人が作っているようで、何とも懐かしい味がした。ちょっと薄めのラッシー(ヨーグルトジュース/20B)と合わせて100B(≒300円)。

その後は、もちろんビールを買って帰り、熱々のお湯を溜めて、入浴。気持ちいい。どこかのオヤジのように思わずうなってしまう。本物の温泉をひいているのでもちろん硫黄の香りと、少しのヌルヌル感がある。気温も少し寒いぐらいなので、本当に温泉は有り難い。先に買っておいたつまみと共に、ビールを飲む。幸せだ。タイにこんな幸せがあったなんて。。

テレビもないこの宿は、一晩中虫の声だけが響いている。今日はこのまま就寝。



翌日は8時30分に起床。
起きてみてびっくりした。辺り一面霧に包まれていた。そういえばパーイは別名「霧の街」とも聞いたことがある。そのままカメラを手に、バイクで付近を走ってみる。陽は既に高く昇っているのだが、濃い霧に覆われ何とも幻想的である。
しばらくすると霧が晴れたので、宿に戻り朝食にする。量は少ないが、ひんやりとした空気の中、緑溢れるこのレストランでの朝食は本当に美味しい。食後のコーヒーも絶品だ。今夜宿泊できないのが、本当に残念。

今日は昨日できなかったパーイ観光をしっかりとする予定。
まずは宿から近い日本軍が戦時中に架けたという「第二次大戦記念橋」。ここはバイクやバスで何度も通っているので簡単に写真を撮るだけにした。ちなみに橋にあるプレートには「B.C.1942」と紀元前を表す表示となっているが、もちろん間違いだろう。更に当時、これだけ立派なコンクリート製の橋を作ることはできないとの事なので、これも適当らしい。さすがタイ。


霧のパーイ@ 霧のパーイA 第二次大戦橋


そのまま道を市内に向かって走り、パーイキャニオンへ。グランドキャニオンのミニ版らしい。ちょっとした山道を登り、息が切れてきた頃にその姿を表す。確かに高い。断崖絶壁。でも「なるほどね」と言うレベル。景色は綺麗だった。
尚、柵も何もないのでちょっと気をつけよう。


パーイキャニオン ちょっと危ない道 景色もいい



そうこうしている内にお昼近くになったので、昨日予約した宿に荷物を置きに向かった。そろそろチェックインできる頃である。
しかし、宿について驚いた。何と他の客を入れてしまい、今夜は空き部屋がないとの事だった。わざわざ予約、お金まで払っておいたのに何の意味もない。しかも、その客は今日チェックアウト予定だが、どこにいるのか分からないと言い訳をする。自分で宿泊させておいて、客のせいにするとは何事だ。こんなとこで話しているのも、怒鳴るのも時間の無駄なので、金だけ返してもらいすぐに新しい宿を探す事にした。一言も謝らないのはやはりタイかな。情けなく思う。(→宿名:CHARLIE'S HOUSE)

それにしても空き宿が見つからない。
12月30日のパーイを少し甘く見ていた。10件近くまわって空きがあったのはたった2件。殺風景だが500B(≒1500円)もする部屋に泊まることにした。先に訪れた宿は「歩き方」に200B(≒600円)と紹介されていたが、行ってみると500Bと言われた。恐らく年末年始価格になっているとは思うが、それにしも内容に対して高い。それでもゲストハウスは星の数ほどあるので助かるが。

荷物を置いてバイクツーリングへ。まずは空腹を満たさなければならないので食事。景色が抜群なレストランがあるとの事だったので行ってみたが、あいにく満席との事で断られてしまった。(バーン・リムドーイ・リゾート/中国人村の近く)
それならと中国・雲南省が観光のために作ったと言う、中国雲南省村(ちょっと名前が違うかな)で餃子とラーメンを食べる事に。しかし、観光地が少ないパーイ、ここも大量のタイ人で溢れていた。もちろん食事などできる訳がない。何故か急須(150B≒450円)を購入し、諦めて他を探すことにした。

しかし、この選択が正しかったようで、しばらくバイクを走らせると綺麗な景気の見えるレストランを発見した。カオパット(チャーハン/30B≒90円)と果物の盛り合わせ(50B≒150円)。この景色を入れてこの価格なら安いもんだ。贅沢な時間を過ごせた。


中国雲南省村 お茶が特産? Thai Yai Restaurant


途中気付いたのだが、カラッと晴れた冬の北タイをバイクで走るのはとても気持ちがいい。パーイ市内はすごい人の群れだが、ちょっと郊外へ足を運ぶと、眺めの良い景色とおいしい空気が迎えてくれる。途中、バイクはもちろん自転車で走っている白人や、散歩している旅行者に何人も会った。急がずに自分だけの時間、自分だけのペースで過ごす事ができる。それがパーイの魅力のひとつだろうか。少しだけ感じる事ができた。





その後は近くにあるモーペン滝へ。普通の滝。乾季の為か水も少ない。続いてパーイ市内が一望できる寺、ワット・メーイェンへ。確かに景色は綺麗だが、寺自体は普通だった。仏像好きで幾つもの寺を訪れているが、特に変わったところはない。それにしても仏様の顔はいつ見ても優雅である。
最後に市内に戻り、白い仏塔が綺麗なワット・ルアン、ミャンマー式寺院ワット・クラーンを見てまわった。これでパーイで紹介されている見どころはほぼまわったが、パーイの良さはこのような観光名所ではなく他のものなので、まあこの程度であろう。
ちなみにターパイ温泉にも行ってみたが、タイ人が入園料20B(≒60円)に対し、外国人400B(≒1200円)と法外な値段だったので、入口で引き返してきた。


モーペン滝 ワット・クラーン ワット・ルアン



さて、部屋で少し休んだ後に、夜のパーイの街に出掛けることにした。
年末、そして土曜日というだけあってものすごい人で溢れていた。自分もその光景を構成しているひとりなのだが、とにかく真っ直ぐ歩けない程のすごい人だ。これだけ人がいれば宿が足らなくなるのも無理はないと思う。
そして、こんな田舎街に似合わない程の美人で、色白のタイ人も見かける。恐らくバンコク人であろう。髪などサラサラだ。最近はタイ国内でもパーイは人気で、実際バンコクナンバーの車もたくさん見かけた。

店の数もすごい。レストランや土産物屋、その他色々とにかく賑やか。前日の宿のように白人が手伝っているのだろうか、よくタイなどで見かける「どこに行っても同じ物ばかり」があまりない。手作りだが、オリジナル商品がよく目に付く。とりわけパーイをあしらった物が多い。絵葉書やパーイの写真、Tシャツなど。チェンライやチェンマイの量だけのナイトバザールとはちょっと違う。絵葉書(35B≒105円)とTシャツ(200B≒600円)を購入。もちろんパーイの名前入り。


パーイの夜 移動式カフェ パーイ特製絵葉書


しかし、食事には困った。
高い料金を払えばちゃんと食事にありつけるのだが、屋台で済まそうとしてもなかなか席が空かない。結局随分と歩き回った末に、何か買って部屋で食べる事にした。それにしても食べ物の物価は信じられないぐらい高い。タイの普通の感覚ではちょっと辛いかも。何もする事もなかったが、結局ビールを飲みながら12時ぐらいまで起きていた。


帰りのワゴン車
最終日。パーイに到着した際に、チェンマイまでの帰りのバスは予約しておいたので安心である。しかもワゴン車タイプ。片道150B(≒450円)とちょっと高めだったが、乗り心地と時間を考えれば損はない。所要約3時間で、朝7時から15時ぐらいまで計7本ほど出ている。
9時発だったが、8時前にはバスターミナルに到着したので、少し朝のパーイを散歩する事にした。
いい加減飽きてきたのだが、やはりすごい人である。朝から。他の町ではこんなに繁盛する事はないであろうごく普通の屋台までも、行列ができている。結局、肉まんを少し買って朝食にした。
ちなみに車の予約時に「一番前」としていたら、何と運転手の隣の席だった。確かに一番前なんだが。やれやれと思っていたが、チェンマイまでほとんど寝てしまったので問題ではなかった。チャンマイ到着は12時。座り心地が良かったので帰りは楽だった。


訪れた時期が少し悪かったせいか分からないが、何もかも物価が高いパーイ。ラフティングやトレッキング、象乗りなどもできるが、特に観光地もないパーイ。人も多く、交通の便もかなり悪いパーイ。では、何故こんなに人が訪れるのか。
パーイを好きになる人は、決して1泊や2泊の滞在ではない。バンコクやチェンマイの喧騒を逃れて、大自然が残るパーイに佇んでみる。自分の時間の過ごし方を知っている人は必ず好きになると思う。

個人的には温泉に入って、朝おいしいコーヒーを飲む。
これだけ十分過ぎるほど贅沢かな。




■地理
メーホンソン県の7郡のひとつ。郡内の大半は森林と山岳部で占められる。大きなパーイ川が流れる。
■気候
乾季・暑期・雨季の3つ。10月から2月は乾季で最低気温は2度位まで下がる事もある。朝は霧に覆われる事が多い。暑期は3月から5月。雨季は6 月から9月。
■産業
人口の大半は農業従事。米、ニンニク、大豆などを生産している。
■観光
パーイの盆地や周辺の山間部、またパーイの人々の伝統生活が見直され「タイのスイス」とまで呼ばれるようになる。外国人旅行者ばかりでなく、最近は国内からの旅行者も増えている。ホテルやゲストハウスは既に100軒以上あり、80B程度からの安宿も結構ある。
■観光の歴史
1987年頃から旅行者受けのゲストハウスが建ち始める。チェンマイからメーホンソンへの中継点として旅行者が立ち寄るようになる。
1997年頃には、パーイの暮らしや自然に惹かれ、バックパッカーが集まるようになる。
2002年にはタイ人も観光地パーイに関心を持ち始め、旅行者相手に土産物屋やトレッキングなどが盛んになる。
2004年、週末を使ってのタイ人旅行者が増加

※参考 「ちゃ〜お」87号 特集不思議な魅力パーイ


データ
※チェンマイ→パーイのファンバス:72B メーホンソン行きのバスも沢山あるので、パーイ経由の乗ればOK。朝は7時位から夕方まである。
※パーイでのレンタルバイク:140B/1日(うち40Bは保険)、街中には何ヶ所かあるが値段はほぼ同じ。

※SPA EXOTIC HOME:1000B/1泊(朝食付き)
※TAYAI'S GUEST HOUSE:500B/1泊
※パーイ→チェンマイのワゴン車:150B、所要2時間半から3時間。途中休憩なし。







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