Day1 紅葉のシーズンを迎えどこか行く場所がないか探していたところ、静岡県に「寸又峡」と言う綺麗な吊り橋がある事が分かった。11月なら紅葉の楽しめるし、調べて行くうちに大井川鉄道でSLに乗れる事も分かった。愚息が電車好きなのでちょうどいいので、大井川鉄道SLから寸又峡へのプランを立てた。 SLは基本事前予約が必要で、返信されたメールには「予約番号:32」と10時38分発との出発時間が記載されていた。 とりあえずそれほど急ぐことはないので当日の朝は午前6時半に出発する。順調に高速を走り、第二東名の島田金谷ICで下車。時刻は8時半。出発まで2時間あるので近くにある「日本で一番長い木造歩道橋」を見に行くことにした。 ICを降りてナビに従うこと20分ほど、その木製の橋「蓬莱橋」が見えてきた。 蓬莱橋を「日本で一番長い」と書いたが、実はこれ「世界で一番長い木造の橋」でもある。平成9年にギネス認定もされているらしい。897.4mで厄なし(やくなし)という縁起の良い橋で、国内でも珍しく通行料が必要な橋でもある。
入口隣にある駐車場に車を止める。少し手前には臨時駐車場も整備されており、週末などは結構な人が来ているのかもしれない。橋の入り口には番小屋があり、そこにおばさんが座っていて通行料を徴収している。大人100円、子供は10円(4歳以下は無料)とのこと。料金を払うとちゃんとした蓬莱橋のチケットをくれた。しっかりしている。
早速橋に向かう。世界一だけあってさすがに長い。色々な場所から写真を撮るが、とてもとてもフレームに入りきらない。と言うより向こうが見えない。明治11年の完成だそうだが、これだけの橋を造るのは大変だっただろうと思う。 快晴の空の下、橋を渡り始める。11月だというのに晴れると結構暑い。寒いかと思ってそれなりに着込んできたのだが、あっという間に汗だくになってしまった。愚息が落ちると行けないのでずっと抱っこしているせいもある(自分で歩こうとしないのあるが)。 橋は年季の入った木板が整然と並べられている。手すりはちょっと低いのだが、端には灯りのようなものあり夜でも歩けるようになっている。
少し歩くと左後方に富士山が見えてきた。11月なのでまだ雪がほとんどないが、それでも日本一の山と世界一の橋を同時に楽しめるのはお得感いっぱいだ。 10分ほどで渡りきれた。思ったよりも長かった。さすが世界一。対岸には天女像等が置かれているが、あまり時間もないので渡りきってからすぐに戻る。汗だくだくだ。帰りも富士山を眺めらがら世界一の橋を渡る。 言ってしまえばただの木橋だが、とても静かな時間の流れる趣のある橋であった。
さて、橋に意外と時間を取られたので急いでSL乗車の駅「金谷駅」に向かう。途中コンビニで食料を買い、20分ほどで金谷駅に到着。が、何もない。駐車場も何もない。ロータリーがあるのみ。ここが本当にSLの発車駅なのだろうか。 急いでネットで調べ直すとSLは「金谷駅」ではなく、「新金谷駅」からの出発である事が分かった。一瞬冷や汗をかく。幸いナビで調べるとすぐ近くの場所だったので良かったが、一歩間違えればエライ事になっていた。 新金谷駅周辺にはたくさんの駐車場がある。コインパーキングや、タクシー屋の駐車場でも停められる様にもなっていたりする。どこも料金は800円/日。車を止め駅に向かうと、既にたくさんの人で溢れていた。そして線路には煙をもくもく吐くSLの姿も! チケットは駅向かいの「PLAZA LOCO」なる建物の中で購入する。予約番号を伝えるとすぐに発券してくれた。SL乗車券だけを買うこともできるが、今回は寸又峡まで行くのでそこまでのバスや電車が乗り放題の「寸又峡フリーきっぷ(5,000円/人)」を購入した。別々に買うより安いし、いちいちバス等で小銭を用意しなくて済むので便利だ。 またネットの予約時に弁当も注文していたので一緒に料金を支払う。弁当は座席に置いてくれるそうだ。
SLの写真を少し撮り、乗車開始となったので早速改札から入場。まあ、すごい人。みんな夢中になってSLと写真を撮っている。大人から子供まで大人気。そして気になったのが外国人の多さ。特に中国。かなりの割合だ。 あまりにも人が多いので少し写真を撮り座席に向かう。座席は指定なので楽である。車内は古いレトロな雰囲気だ。本当に長い間現役だったようで、年季の入った車内に少し安心感を覚える。ただ椅子は狭い。向かい合うように座席が設置されているが、ちょっと足が当たるレベル。まあ仕方がない。
出発時間になると多くの人が乗り込んできた。ほとんどがツアー客の人である。通りで平日なのに大勢いる訳だ。もちろん御年配の方々ね。 定刻通りにSLが走り出す。車内からは良く分からないが、やはりたくさんの煙を出して走っているようだ。 ところで今回乗車しているこのSL「かわね路13号」とあったが少し調べてみると、正式名称は「国鉄C11形蒸気機関車227号機」といい1942年(昭和17年)製造とのこと。以前は国鉄所有だったが、1976年に日本の復活蒸気機関車第一号として大井川鉄道での運航を始めたらしい。とても歴史ある車両である。それが今も現役と言うのは、関係者の方々の並々ならぬ努力があったのだろうと思う。
外の景色は、最初の市街地からやがて大井川と美しい山々の風景へと変わる。幸い今日は快晴なので写真写りもいい。車内からはほとんどSLの車体は見えないがガタンゴトンと車体から伝わる音や、汽笛の音が気分を盛り上げてくれる。車内では制服(車掌?)を着たおじいさんがハーモニカで色々な曲を演奏して皆からの拍手を浴びていた。観光列車である。
30分ほど走ると「家山」と言う駅に到着。新金谷から千頭(せんず)駅までのSLの旅で唯一途中停車する駅だ。2,3分なので外には出られないが、ここで先に買った弁当を広げる。ネットの予約時に注文しておいた「大井川ふるさと弁当(1,100円)」である。
中身はおにぎりや空揚げエビの甘煮、里芋に椎茸、そして魚の甘露煮などが詰め込まれている。お茶と絵はがき付き。残念ながら今年の12月1日以降は予約販売を終了するとのことで、これからは駅売店での販売のみとなるそうだ。まあ確かに乗車人数が増えてきて、それに対して座席に置いておくのは手間が掛かるのだろう。これからも食べられるので問題はないがね。
景色を楽しみながらもSLはどんどん進んで行く。最初は進行方向に対して右側の景色が良かったが、やがて左側の景色が開けるようになる。途中の道や路線沿いには、結構至る所で「撮り鉄」ではないが多くの人が写真を構えてこちらを撮っている。やはり「走るSL」という存在自体が貴重なんだと改めて感じる。 途中、車内販売に何度か係員がやって来た。飲み物だけだったりお土産だったり。売り手さんも良くご存じで、愚息を見つけるとすぐに「汽車のおもちゃ」を手渡す。人見知りの愚息だが汽車には興味深々。結局トーマスの機関車を買わされた。まあどのみち車内販売名物の「SL動輪焼」も一緒に買うつもりだったのでいいのだが。
10時38分に出発したSLは、予定通り11時51分に終点の千頭駅に到着した。到着してからもたくさんの人が次々とSLと写真を撮影する。本当に大人気だ。
さてここからは大井川鉄道井川線、通称「南アルプスあぷとライン」に乗り換える。 この路線の一部区間では「国内唯一のアプト式機関車」を使い、「鉄道日本一の急勾配」を登り降りする。意味が分からないと思うが、要するに「とても急な線路(1,000mで90m上がる)を安全に登り降りする為、普通の車輪の他に歯車のような車輪が付いていてそれを使って登り降りする」と言う意味だ(違ってたら教えてください)。 と言うことで千頭駅から井川駅までの25.5kmを走るあぷとラインに乗るのだが、寸又峡に行くには途中下車しなければならない。 大井川鉄道の列車やバスは本数は少ないが、それぞれの到着時刻に合わせて乗り継ぎが上手くできるようにダイヤが組んである。SL下車後、おおよそ30分ほどで次の乗り物に乗り換えられる。あぷとラインの出発は12時28分。とてもちょうどいいタイミングである。 ところでこのあぷとラインに乗り換える辺りから、中国人観光客が非常に増えてきた。あぷとラインの車両のドアはすべて手動で開かれるので、乗務員が開けに来るまで乗車できない。日本人はドアの前で整然と列を作って並んでいるのだが、乗務員がドアをかける直前に中国人が何名かやって来て先頭から乗ろうとする。 やれやれ。ここが中国なら敢えてその流れに身を任せるが、ここは日本。横入りしようとする中国人のババアを体でブロックして入れさせない。ババアが突っ込んでくるが力ではこちらの方が上。逆に弾き飛ばす。ババアが声をあげて何か言っているが、ここは日本。日本のルールに従って貰う。ああ、気分が悪い。 あぷとラインはとても車両が小さい。車内も狭いが、それはそれで味があってよい。景色も大井川沿いに走りとてもいいのだが、ちょっとうるさい。ギーギー、キーキーとかなりの音がする。まあそれと同じぐらい中国人団体客の話声もデカイのだが。香水の匂いも車内に充満させ、まったくもって迷惑だ。
ゆっくりゆっくり進む。SLと違い、あぷとラインはとてもゆっくりと進む。そして各駅停車。のんびりとした列車の旅が楽しめる(・・・はずだった)。 あぷとラインはどんどんと山の中へと進んで行く。木々や草木とすれすれになって進む場面や、小さい車両にほぼぴったりの小さいなトンネルをくぐったりと電車好きならたまらないかもしれない。大井川もいつの間にか随分と細くなってきており、他の川との合流地点などが車内から見る事が出来た。
さて出発から30分。奥泉駅に到着した。本当はここから長島ダムへ向かい、あぷとラインの真骨頂の急斜面登りが見られる。そしてその先にはダムの中にある湖上駅など観光には必見の場所が続くのだが、寸又峡が目的なのでここ奥泉で下車しなければならない。 実際あぷとラインの乗っているほとんどの人が、奥泉からも先に向かうようだ。下車の為席を立ちあがったのはほぼ自分たちのみ。ちょっとびっくりした。乗務員の方がドアを開けてくれて下車。奥泉駅は本当に山中にある田舎の駅。あれ程たくさん乗っていたのに、ここで下車したのは自分たち以外には3名のみ。
ちなみに後で知ったのだが、寸又峡に行くルートとしてこのあぷとラインを使うのはどうもマイナーだったようだ。ほとんどはSLを降りた千頭駅よりそのまま寸又峡までバスで向かうらしい。ここ奥泉駅からもバスに乗って寸又峡に向かうのだが、このバスは千頭駅発のもの。簡単に言えば、あぷとラインに乗る事で約1時間寸又峡への到着が遅くなる。これではちょっと困る人もいるのだろう。
さて奥泉駅。本当に何もない。駅のすぐそばにバス停があるのでそこで寸又峡行きのバスを待つが、その間約30分。何もする事がないので結構時間をもてあます。 30分後、ようやくバスがやって来る。案の定、千頭駅人をたくさん乗せているのでほぼ満員状態。辛うじて空いた席に座る。 そしてここからが大変だった。これよりバスは細い山道へ入るのだが、この山道本当に狭い。個人旅行で寸又峡を訪れている人の車と、路線バスがまともにすれ違う事が出来ない箇所が多数ある。そして大渋滞。至る所でぴくりとも動かない渋滞が多発。 お陰で13時半着だったバスは、予定よりも1時間遅れた14時半になってしまった。正直この寸又峡への道はマイカー規制が必要に思う。この紅葉の時期だけでいいので実施しないと、路線バスが全く動けなくなるのはちょっと困る。 そんな訳でえらく遅い到着となった寸又峡だが、下車と同時に目的である「夢の吊り橋」へ向かう。 しかし寸又峡自体の道路も狭い。バスと車が通るともう車幅ぎりぎり。人気観光地の割にはちょっと整備が追い付いていない感がある。
寸又峡は静岡県北部、南アルプスの赤石山脈に連なる全長16kmの峡谷。もともと林業が盛んであったが、今は観光遊歩道として整備され人気を呼んでいる。目玉が大間ダムにかかる全長90mの通称「夢の吊り橋」。エメラルドグリーンの湖上を渡る吊り橋としてとても有名だ。2012年トリップアドバイザーの「世界の徒歩吊り橋10選」にも選出された。 正直山の中の軽トレッキングと思っていたので、登山靴は持って来なかったが服装はレイヤーがかなりできる服を持って来ていた。雨や強い風にも耐えられるようそれなりの装備をしてきた。・・・が、到着して安心した。たくさん歩いている人の中には都市部で見かけるような格好で戻って来ている人もいる。ハイヒールにハンドバック。小さな愚息もいるので少し安心した。 ハイキングコースは最初から舗装道を歩く。前日の雨のせいか少し湿っている。紅葉シーズンだが落葉した葉も路面に山積している。気温は意外と暖かい。愚息を抱っこして歩いていると半袖でもいいぐらいだ。ちょっと驚き。時刻は14時半過ぎだが、多くの人が吊り橋観光を終え戻って来ている。やはりちょっと遅かったのかもしれない。早足で進む。
歩いていると山の視界も開けてくる。紅葉された美しい風景だ。ちょっと時間がないのでゆっくり見られないが、写真にはしっかりと撮っておきたい。 しばらく歩くとトイレ現れ、その先にトンネルが見えてきた。トンネル内は水溜りが至る所に出来ており湿っぽい。気をつけて歩く。トンネルを抜けてすぐに吊り橋の案内看板がある。この時期吊り橋は安全と混雑を避ける為に一方通行となる。そして渡りきると急坂となるので体力に自信がない人は別ルートへ行けと書かれていた。そして眼下に小さく吊り橋が見えてきた。
ここから落葉した葉に気をつけながら階段を下って行くと、やがて「夢の吊り橋」が目の前に現れた。
少し時期が悪かったのか幾分水量が少ない気がする。それでもエメラルドグリーンの湖面に架かる吊り橋は何とも美しい。これだけで絵になるとはこのことだろう。橋を渡る手前でみんな写真を撮っている。それもそのはず、ここまで「ちょっと散歩」と言う感じではなかった。やはりちゃんとしたハイキングコースである。その先のご褒美なのだ。
さていよいよ渡る。足場はしっかりとしているが、ちょっと狭い。何名かの人が一緒に歩くと結構揺れるのも怖い。湖面から8mほどなのでそれほど高さへの恐怖心はないが、足もとから下が見えるのはなかなかスリルがある。愚息はもちろんベビーキャリアーで固定。片手は必ずワイヤーを握っていなければならないので、幼児は負える装備が必要だ。残りの片手はもちろん写真撮影ね。
無事に橋を渡り終えると目の前に急な階段が現れる。ここからがしばらく急坂となる。まあこの手の坂は山登りで慣れているのであまり気にしないが、しばらく登っていないので体力は少し心配だ。すぐに看板があり304段だということが分かる。 登り始めるとすぐに息が切れる。愚息を抱っこしているのでちょっと重い。まあそれでもいつも山と思えばあまり気にならない。道はほどんどコンクリートで舗装されているので雨に濡れた落葉に気を付ければ危険はない。時々木々の間からエメラルドグリーンの湖面が見える。
楽ではないが時間にして10分ほどの坂の試練を超えると、右手に展望台への道が続く。歩いてすぐにその標高560mの尾崎坂展望台に着く。景色は・・・普通かな。吊り橋の印象が強すぎてちょっとここの展望台は損をしている気がする。 来た道を戻り、吊り橋よりもさらに上流にある飛龍橋を渡り帰路につく。途中も紅葉した木々を見たり、再び上から夢の吊り橋を眺めたりと楽しみながら歩ける。愚息が重いが。そうこうしているうちに16時半、最初のバス停まで戻ってきた。歩いてきたコースは「寸又峡プロムナードコース(90分)」として紹介されているが、実際は2時間ほど掛かった。写真をだらだらと撮ったり、愚息をキャリアーに乗せたりしていたのでこれくらいだろう。
さてこれから戻らなければならないが、まずバスが最終の17時20分となる。もうちょっと時間に余裕があれば「美人の湯」として有名な寸又峡の公共温泉に浸かりたかったが断念。土産物屋を見ながらバス停で待つことにした。ここで今朝買い込んだおにぎりやパンなどを食べる。ハイキング中も時々行動食として食べていたので、やはり持って来て正解であった。あまりゆっくり食事をしていられるとは思っていなかったのでね。 17時を過ぎるとすっかり暗くなってしまった。日が短い時期に加えて山の日照時間は短い。そしてこの時間になると観光客もほとんどいない。稀に宿泊客らしき人が通る程度。到着した際の賑やかさが嘘のようだ。17時20分の最終バスも乗り込んだ人は10人に満たない程度であった。
行きの渋滞が嘘のように快調にバスは進む。途中乗車した奥泉バス停を過ぎ、予定通り18時にSLの千頭駅に到着した。ここからは普通電車で車がある新金谷駅まで行く。18時半、電車に乗り込み1時間ほどで新金谷駅に到着。とても疲れたがSLと寸又峡のハイキングコースは充実したものになった。 車に戻り30分ほどかけて今日の宿泊先である「くれたけイン菊川インター」に到着。最初は寸又峡での宿泊を考えていたのだが、値段の割にはちょっと設備的に良くないので街まで下りる事にした。寸又峡の宿にはほとんど温泉があるので魅力的なのだが、愚息の事を考えると共同のトイレや風呂と言うのはちょっと避けたい。安価で設備のいいビジネスホテルを選択した。 でもこのホテルすごく良かった。 和室を選んだのだが、洋式の良い所を取り入れた和洋式と言った部屋。朝食も無料で付いているし、何より畳と言うのが赤ちゃんには助かる。外国人旅行者にも喜ばれそうだ。フロントの対応も抜群。非常にコストパフォーマンスの高いホテルであった。
Day2 翌日は無料の朝食を頂き、7時半にホテルを出る。天気予報では今日は曇り時々雨となっていたが、朝の段階では晴天。何とか雨に降られる前に帰路に就きたい。 ところで最近思ったのだが、どうもこのサイトではビーチ版を除く旅行記では「自然」と「寺」ばかり行っている気がする。両方とも好きだから仕方ないのだが・・・と言う訳でまず向かったのは久能山東照宮(寺?)。家康の墓である。 ホテルすぐ隣にある東名・菊川インターから高速道路に乗り込む。高速を快適に飛ばし静岡インターで下車。駿河湾沿いの国道150号線を走り、目指す久能山を左手に見つつ日本平へ向かう。 久能山東照宮へは先の海側より1,159段の階段で向かうほか、この日本平ロープーウェイでも訪れる事が出来る。8時半到着。ロープーウェイの始発が9時10分だったので近くを散策することにした。駐車場すぐ隣にある丘の上からは、富士山の眺望がいい。世界遺産登録の記念として石碑も建てられていた。清水の街と富士山が中々の景色を作り出していた。
9時になったのでロープーウェイ乗り場へ向かう。それなりの人が並んでいたが十分始発に乗る事が出来た。 ロープウェイ内ではガイドのお姉さんが色々と説明をしてくれた。景色もなかなか出良かったが、乗って初めて気付いたのだが「ロープーウェイに乗って下って目的に行く」のは初めてかもしれない。いつもロープーウェイでは山や坂を登って目的に向かうのだが、ここは日本平から久能山へ下っている。こんなのは初めてである。 5分ほどのロープーウェイの旅を終え、久能山へ到着した。 久能山東照宮は家康が死ぬ前に「遺骸は久能山に埋葬すること」と命じてなくなり、二代目将軍将軍秀忠が中井正清という腕利きの棟梁に作らせたものだという。社殿は当時最高の建築技術・芸術が結集された「権現造(ごんげんづくり)様式」で、日光東照宮を始め全国に多数造営された東照宮は久能山東照宮が原型とされたそうだ。そして名古屋城、二条城などを手がけた棟梁中井清正の晩年の傑作として平成22年に国宝に指定されたそうだ。
ロープーウェイを降り細い階段を下ると、東照宮入口に着く。 長い階段の先に豪華な樓門(ろうもん)が見える。門をくぐると家康の手形が置かれている。身長は155cmと低かったが、手はそれなりの大きさだったようだ。境内を進むと色彩豊かな御社殿が見えてくる。本殿、石の間、そして拝殿の造りを持つ所謂「権現造」の形式を持つ複合社殿だ。ちょうど修復作業も終わったようで色鮮やかな建物が美しい。
ちょうど今年は家康公400年祭りを行っており、ちょうど命日の17日には缶バッチのプレゼント。そして境内には歴代15将軍の家紋が飾られていた。 東照宮自体はそれほど大きくないし、敷地も狭い。参拝した後に団体のツアー客がたくさんやって来たので、きりのいい所で東照宮を後にする事にした。久能山にはちょっとした展望台や休憩場所のあるので、一休みしてからロープーウェイに乗り日本平に戻った。
さて、時刻は10時。ちょっと早いが昼食を食べる為に静岡市内へと向かう。目的は「清水港みなみ」と言う食堂の海鮮丼。清水港はマグロの漁獲高が日本一らしい。そしてその新鮮なマグロが美味しく頂ける場所が幾つもある。その中でも気になったのが静岡駅前にある「清水港みなみ」というお店。楽しみだ。 ガソリンを給油したり市内のなので渋滞に巻き込まれたりしていると到着は11時となった。昼ご飯に問題ない時間である。と言うかこの店、開店の11時過ぎからあっという間に満席になってしまう人気店。11時入店が正解である。駐車場はないので近くのパーキングに停める。 入店は11時10分だったが既にカウンター席の半分ぐらいが埋まっている。さすがだ。特製本鮪丼(1,280円)と炙りサーモン丼(830円)を注文。待っている間にもお客さんが次々とやって来る。平日なのでほとんどサラリーマンや仕事関係の人だ。 注文の人もテキパキと、そしてとても丁寧に説明をしてくれる。こういう流行りの店って接客が横暴だったり忙しいのでいい加減だったりすることがあるが、そんな心配は全くない店で驚いた。愚息用の取り皿まで準備してくれる。有難い。 そして運ばれてきた海鮮度を見てにっこり。これは美味しそうだ。
もはや自分の稚拙な文章など要らないであろう。ひとつ言える事は、価格も含めてこれまで食べた中で最高の海鮮丼であることは間違いない。こんなものが駅前で食べられる静岡県民が羨ましい。 満足の食事を終え店を出ると、店へと続く階段にすでに行列ができていた。それも納得だ。 帰りは焼津の「おさかなセンター」に寄ってアジの干物をお土産に買った。ちょっと客引きがうるさいが、冷凍ものではない美味しい魚を買うことができた。ちなみにこのおさかなセンター内でも海鮮丼を食べる事ができるが、大体1,500円程度。まあこれでも安いのだが、先程の特製本鮪丼より大きさも値段も下回るようだ。やはり観光地値段なのであろうか。それを考えればこのアジの干物も高いのかなと思ってしまう。
一泊二日の小旅行だったが、やはり旅は良いなあと改めて思わされた。今までは車がメインだったが、電車の長旅もいいかなと思ったりもした。また各地の名産はやはり美味しい。日本の旅行は高くつくのだが、それに見合った満足が得られるのもまた事実。 ひとつの旅が終わったばかりだが、また次の旅の事を考えてしまう。病気かな。
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