初めての旅は中国(西安)留学時代、授業をサボって友人と出掛けた「韓城旅行」でした。たった1泊でしたが、初めて中国の列車に乗り、初めて自分達で宿を決めた旅でした。韓城はガイドブックにも載っていない田舎の街で、「史記」で有名な司馬遷の故郷でもあります。何もありませんでしたが、始めて見る黄河と広大な菜の花畑に「日本のみんなは今頃、勉強してるのにいいのかなあ」って思いつつ感動した覚えがあります。旅の楽しさを知った「大きな第一歩」でした。その後も中国の山峡下りや雲南、シルクロードなどを旅し、タイに住むようになってからは近隣諸国やネパール等いろいろ旅するようになりました。
一人旅は不安との戦いでした。中国留学時代は、「旅を終える」という事実が目的だったように思います。「〜まで行って来た」「〜を見て来た」といった事実を得る為の旅です。旅に出ることは一種の自分に課した義務だったのかもしれません。でもバックパックの重さを両足で感じながら歩く事は、初めて知る「自分の力で歩く道」でした。
ようやく心から旅を楽しむ事ができるようになったのは2002年の「中国・モンゴル旅行」ぐらいでしょうか。慣れ親しんだ中国を再び訪れる事で安心や嬉しさがこみ上げてきました。ここまで長かったなあと思います。
まずは旅に出てみましょう。綿密に計画を立てるもよし、適当にふらつくのもよし、「まず、一歩を」歩き出してみましょう。後は何とでもなります(笑、、でも本当です)。
そして、ここを訪れた人が旅に出るきっかけを掴んでくれればこの上なく幸せです。
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