
ビザ取りの為にシンガポールに向かった。
シンガポールは、以前インドのトランジットの時に寄った事があったが、何より「物価が高いこと」しか印象がない。前回はトランジットだけだったので宿泊はしなかったが、今回は2泊3日の予定である。少しは真面目にシンガポールと向き合わなければならない。ちょっと気が重い。。
バンコクを早朝に飛び立った飛行機(今回もエア・アジアを利用)は、10時頃シンガポールのチャンギ国際空港に到着した。
チャンギ空港はさすがである。大きくないちょうどいい大きさ、案内の分かり易ささ、フリーインターネット等とても利用しやすい空港である。様々な言語での観光案内のパンフレットや市内地図なども無料で置いてある。恐れ入る。
MRT(地下鉄)で市内中心にあるブギス駅まで行く。宿は駅から歩いて5分のBackpaker cozy corner Guest houseという所にした。
それにしてもシンガポールの物価は高い。ここのシングルルームで32S$/1泊(約2,240円、S$=シンガポールドル・以下略)、4畳半もない狭い部屋にベッドと机、エアコンがある程度である。ベッドは汚いし、トイレ・シャワーも共同。一応、ドミトリーも見せてもらおうと思ったが、途中の通路にあったベッドがたぶんそれだろうと思いシングルに泊まる事にした。物価が高いので仕方ないのだろうが、シンガポールの安宿のレベルは最低である。
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Backpaker cozy corner
Guset house |
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バックパッカー宿のいい雰囲気だ |
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実はシンガポールでビザを取るだけでは時間が余るだろうと思い、何かしようかと思い色々シンガポールの情報を集めていたところ面白い話を耳にした。
「シンガポールにはマーライオンが5体いるらしい・・・」
5体? シンガポールのもう一つの目的が決まった。
ビザ申請は翌朝しかできないので、今日は時間が余っている。そこで早速だが1体目のマーライオンを見にマーライオン公園に向かった。もちろん歩いて。
シンガポールは予想通り暑かった。突き抜けるような青い空に白い雲、、と思っていたらいつの間にか雲だらけになって小雨が降ってきた。この時期はこういう天気が多いのか、これから3日間ぐらい雨が降ったり晴れたりとこんな感じだった。タイとはちょっと違うなあ。
ところでシンガポールの女の子は可愛い。
中華系が多いので色の白い女の子もたくさんいる。また服装も南国らしく露出が多く、とても嬉しい。目的が変わりそうで怖いぐらいだ。
女の子が可愛いのはいいのだが、申し訳ないけどやはりやはり物価が高い。2万円も両替したのだが、返ってきたのが200S$ちょっと。これだけ?って感じだ。昼食でカレーを食べたが、4S$と飲み物代1S$の5S$(約350円)。高い。。仕方ないけど。。高い。
幸いベトナム(ベトナム旅行の帰りです)から持ってきていたミネラルウォーターがまだ余っていたので喉が渇けばそれで渇きを潤す。情けないが。マーライオン公園に向かう途中のフルーツジュース屋などでは、中にいたお姉ちゃんと目が合ったりしたがジュース一杯4S$(約280円)という表示を見て逃げ出してしまった。ジュース一杯280円の世界である。貧乏旅行者には本当に辛い。
そう思ってふと正面を見ると、そこにはシンガポールを発見し繁栄の基礎を作ったラッフル様(銅像)が腕を組んで立っていた。
そして、まるで、
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「金のない奴は、立ち去るべし」 |
と言っているようである。
マーライオン公園へ走るように向かった。
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1・元祖マーライオン |
2・子供のマーライオン |
宿を出て1時間、1体目のマーライオンに会った(14時25分29秒)。こいつは所謂シンガポールのマーライオンとして一般的なマーライオンである。2002年に現在の公園に移され水を吐いている。夜にはライトアップされるそうだ。
そしてその後ろに子供のようなマーライオンもいる(14時25分43秒)。2体Get!ちょっと穏やかな顔をした小ぶりのマーライオンだ。
それにしてもこの公園は暑い。強い日差しが白いコンクリートやマーライオンに反射して目も痛い。長居させないようにしているかのようだ。でも頑張って30分いた。
基本的にする事がないので、やはり歩いて宿まで帰ってきた。街の中にはごちゃごちゃした所もあり興味を引くものもあるが、基本的にキレイにまとまっており歩いていても面白味に欠ける。しかもちょっと一息のコーラが高すぎて買えない。
シンガポールは大都市である。貧乏パッカーは生きて行けない。。
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シンガポールは大都会 |
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お洒落なカフェも多い |
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チキンライス |
夜、チキンライス(3.5S$)を食べた。タイにあるカオマンガイとほぼ同じであるが、シンガポールの方がチキンがしっとりしていておいしい。
翌朝、いつもの癖でベッドから起きて立とうとしたら2階建てベッドの上で寝ていた事を忘れていて危うく落ちそうになった。
ちなみにここの宿は一応朝食が付く。と言っても、食パンとインスタントコーヒー程度だが。自分で焼いて食べ、食器を洗う。無料だからまあいいか。
9時30分、無事タイ大使館でビザの申請完了。後は翌日の受け取りだけだ。
また暇になってしまったので、マーライオン探しに出る。
今日は超・観光地「セントーサ島」に行く。シンガポール政府が観光目的の為に開発した、島全体が観光地(アトラクション)となっている場所である。入島するだけで2S$(約140円)取られる。ビーチなどもあり多くの観光客が一度は行く場所である。空港で行っている無料観光でもセントーサ島ツアーはある。
MRTでハーバーフロント駅に行き、そこからケーブルカーに乗るルートにした。駅で昼食用のパンを買い、早速ケーブルカーで第3のマーライオンがいるマウントフェーバーへ向かう。
「たっ、高い」
何が高いって、ケーブルカーの高さである。アナウンスでは一番高いところでは160mもあるという。高い所は苦手な為、苦痛な移動となった。
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3・山だけどマーライオン |
4・文化祭マーライオン |
マウントフェーバーはそれこそマウント(山)なんて名前がついているが115mの丘である。でも平地の多いシンガポールにとっては立派な山であり、そこからの眺めはなかなかだ。たくさんのツアー客も訪れ、風も吹いていて気持ちがいいマウントフェーバー、そこに第3のマーライオンがいる。ちょっと驚いた顔が印象的なマーライオン。11時01分35秒。第3体目OK。
昼食用のパンをかじりながらしばらく風景を楽しみ、いよいよセントーサ島へ向かう。
実はある情報によると、ケーブルカータワー内にもマーライオンがいると聞いていたのだが、噂は本当だった。セントーサ島に向かうケーブルカー乗り場にそいつはいた。
第4のマーライオン、、かなりしょぼい。・・・というか、笑える。まるでどこかの文化祭で使って、そのまま引き取られたような感すらする。でも、その間抜けた愛嬌がある顔には親近感が沸く。「文化祭マ―ライオンと命名」。11時45分10秒。
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マウントフェーバーの広場 |
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景色はいい |
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マーライオンのレリーフもある |
ケーブルカーは相変わらず高くて怖いのだが、ケーブルカー内では日本語ボタンを押すと観光案内が流れる気配りなどはさすがシンガポールだと思う。セントーサ島に到着後、すぐにマーライオンへ向かった。
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5・巨大マーライオン |
でかい。
さすがにでかい。37mと最大の大きさを誇るだけはある。見上げるだけで首が疲れてくる。でかいだけではない。夜には目からレーザー光線を発し、鼻から煙を噴き、うろこも光ると言う。もう怪獣だ。そしてマーライオンタワーというだけあって登る事も可能だ。口元のところが展望室になっている。結構な眺望との事だが、10S$(約700円)と言う入場料の高さに足が止まる。しばらく悩んだが、「マーライオンに登りに来たのではない、見に来たんだ」と言う信念を思い出したので次回にとっておく事にした。
ちなみにセントーサ島は観光用の島として、マーライオン以外にもシンガポールの歴史を学べる場所やイルカのショー、シンガポールで一番高いタワー等見所はたくさんあるのだが、どこにも行かなかった。やはり入場料がちょっと高すぎる。まあ今回は目的が違ったし、ラッフル様も早く帰れって言ってるので大人しくそのまま帰る事にした。セントーサ滞在約2時間。アトラクションは次回の楽しみにしておこう。
第5のマーライオン、12時10分10秒。
帰りにMRTハーバーフロント駅でラクサという麺料理を食べた。ココナッツミルク入りのカレーベースの麺だ。まったりとしていて少しだけ辛く、それでいて濃厚なスープがおいしい。北タイにあるカオソーイによく似ている(3.5S$
約245円)。
そしてチャイナタウンにも寄ってみた。シンガポール政府も勧めている観光地だ。だが、MRTチャイナタウン駅に降り立ったとたん、すぐに嫌な予感がした。少し歩いて見てその予感は現実のものとなった。まるでハリボテ、映画のセットのような街だった。これで100年もすればそれなりになるのかもしれないが、政府によって意図的に造られた街とは分かっていたが10分歩いて飽きてしまった。
また時間が余ったので、チャイナタウンから歩いて宿まで帰る事にした。
夜はバクテーという中国の漢方や胡椒や豚肉などが入ったスープを食べた。一緒にご飯が付いてきたのだが、スープだけではちょっと食べるのに困った。。こんなものなのかな。スープ自体はおいしいが。
最終日。朝起きると青空がとても綺麗だったので、近くにあるラッフルズホテルの写真を撮りに行った。11時、チェックアウトをして、そのままリトルインディアに歩いて向かった。
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青空に映えるラッフルズホテル |
リトルインディアの感想はやはりチャイナタウンのそれと同じであった。かろうじてインド系住民の顔や香の匂い、そして耳に入ってくるインド音楽が少しはその気にさせてくれる。でもやっぱり規模は小さいし、何よりきれい過ぎる。インドには失礼だが、あの汚さ、無秩序がインドらしくていい。
昼はリトルインディアでチキンカレーライスを食べた。結構人が並ぶ有名店らしいのだが、それほど絶品ではなかった。でも、じっくり煮たチキンはおいしかった。
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りとりインディア |
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インド系の人が多い |
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チキンカレーライス |
そのままオーチャードロードにあるタイ大使館でビザを受け取る。これで今回の本当の目的終了。やれやれ。
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6・顔デカマーライオン |
そしてもう一つの目的。第6のマーライオンを目指してオーチャーロードの西端にあるシンガポール政府観光局へ向かう。
ふらふら歩く事30分、政府観光局の裏口みたいなところに申し訳なさそうに立っていた。なんだか顔がでかい。まあよい。第6のマーライオン、ゲット!これで一応すべてだと思うが、まだあるのだろうか?どうでもいいけど、もうこれ以上マーライオン作らないで欲しい、シンガポール政府よ。また探しに行かなきゃならないので。。
オーチャーロードはすごい通りである。とにかく立派。ものすごい大きなビルやホテル、デパートが連々と立ち並び、見上げるような大きな木、そしてたくさんの人が歩いている。でも、限りなくつまらない通りだった、自分には。日系なので高島屋に入ったのだが、入り口で門前払いされそうな雰囲気すらあった。ラッフル様の言葉ではないが、間違いなく金のない奴が行く所ではない。
時々ガラスに映る汚いTシャツ姿の自分がなんとも情けなかった。ああ、物価高すぎ。。
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フライドホッケンミー |
17時を過ぎたのでそろそろ空港へ向かい始めなければならない。フライトは20時40分だ。
一応夕飯を食べる事にしたのでリトルインディアへまた寄ったのだが、ここで食べたフライドホッケンミーって麺料理がとても美味しかった。所謂焼きそばなんだが、どろっとしていて全然フライドって感じはしない。味も刺激的ではなく日本人にもよく合う。3S$の一番安いのを食べたのだが、エビが3匹も入っていてお得である。シンガポールで食べた中で一番だった。
空港まではMRTを利用。物価の高いシンガポールだが、MRTで安く空港まで行けるのは素晴らしい。さすがだと思う。
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ひとつ気になった事がある。
インド系住民の事だ。安宿の掃除係りにしろ工事現場にしろ、きついだろうと思われる仕事にはほとんどがインド系の人々が就いているように感じた。8割近くを占める中華系、それに共存するその他の人々。明らかに華僑の力が強いと思われる多民族国家シンガポール。近代化に成功し、華やかな一面ばかり目に付くが、普段見えてこない一面もたくさんあるかもしれないと思った。
またシンガポールではあまりこれまでに経験しなかったような事を幾度か経験できた。
まず電車や通りなどで人に触れたりすると、必ず「I'm sorry」と言われた。必ずである。先にである。すごい。さすがはシンガポール。
街中でも車より歩行者が優先される。横断歩道で立っていると自然と車が止まる。近隣のアジア諸国ではあり得ない光景だ。もちろんクラクションもほとんど使わない。
そして何より、ボラない。一部悪質な両替商などはあるが、基本的に価格が表示されている事が多いので安心できる。
シンガポールはすごい国である。
貧乏旅行者にはとてもとても厳しい国だが、一応安宿はあるし、マレー半島縦断の大切な出発点(終着点)である。
空港で10歳ぐらいの女の子が友達と中国語で会話していていたのだが、掛かってきた携帯では突然流暢な英語を話し出した。
やっぱりシンガポールはすごい国である。
データ:
6体のマーライオン
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1.元祖マーライオン |
2.子供のマーライオン |
3.山だけどマーライオン |
4.文化祭マーライオン |
5.巨大マーライオン |
6.顔デカマーライオン |
行き方/
MRTラッフルズ・プレイス駅から徒歩10分。マーライオン公園内。 |
行き方/
ケーブルカー・ハーバーフロント駅からマウントフェーバー駅へ。駅から徒歩5分。 |
行き方/
MRTハーバーフロント駅からケーブルカータワーへ。セントーサ島行きケーブルカー乗り場(15F)にある。 |
行き方/
セントーサ島に行けば嫌でも見る事に。近づくだけなら無料。 |
行き方/
オーチャーロード西端にあるシンガポール政府観光局の裏口。 |
※これ以外に知っている人がいれば是非メールを!! |
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旧軽井沢のマーライオン |
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追加
【軽井沢のマーライオン】
2008年5月に軽井沢に行ったのですが、旧軽井沢の通りを歩いていて見つけました。マーライオンです。間違いないと思いますが、写真を載せておきます。お店には振袖と書いてあったので呉服屋さんか何かだと思いますが、マーライオンとどういう関係があるのかは不明です。違っていたらすんません。
更新:2008年6月6日
ケーブルカー
4回使用可能で12.9S$(セントーサ入島料2S$込み)。1回は1区間と数える。つまり、ハーバーフロント駅からマウントフェーバー駅まで行って1回、再びハーバーフロント駅まで帰って来て2回。ハーバーフロント駅からセントーサ島まで行って帰って合計4回終了。
タイビザ申請
シンガポールタイ大使館
MRTオーチャーロード駅から徒歩10分。申請は平日の9時15分から12時まで。受け取りは翌日の14時から16時30分まで。ノンイミグラントビザ(Bビザ)85S$。入り口でパスポートチェックあり。
【今旅の出費】
28,500円
(バンコク出発2泊3日/BKKSIN往復航空券・タイノンイミグラントビザ取得料金込み)
バンコク/シンガポール航空券・・・エアアジアを1ヶ月前から予約3,823バーツ
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